本書は短編の5本立てである。
・空中ブランコ
・ハリネズミ
・義父のヅラ
・ホットコーナー
・女流作家
伊良部
伊良部と言う、ちょっと変わった精神科医のお話しで、いわゆる水戸黄門のような感じ。ただ、患者が語り手なので、伊良部の位置が毎回異なる。
以下、それぞれの作品についてまとめと感想を一行ずつ書く。
空中ブランコ
空中ブランコ乗りのジャンプが成功しないのだが、受けて(キャッチャー)に非があるようだ。
過去の体験が人間関係に影響を及ぼす興味深い話。
ハリネズミ
心因性の症状で、先端恐怖症になってしまったやくざのお話し。
メリハリ・男気・思い切りなんていう要素は読んでいて面白い。
義父のヅラ
ばればれのヅラをしている義父と、それを取りたい“破壊衝動”に駆られる主人公。
変なヅラをしている人はどこにでもいるもんで、大抵周囲には迷惑をかけるもんなんだと改めて痛感。
ホットコーナー
一塁に送球できない三塁手のお話し。
頭で考えると出来なくなるのは、全てのスポーツ・実生活にも当てはまる。
女流作家
原稿の締め切りが迫るのだが、前にも同じ内容を書いたような気がしてなかなか筆が進まない女流作家のお話し。
文章を書くとは何なのか、改めて確認させられた。
最後に
子ども心を忘れてしまうのは、社会のせいなのか。それとも、人間とは自然に子ども心を忘れてしまう生き物なのか。子ども心を忘れないように、いつも自分に逃げ道を作っておきたい。私にとってその逃げ道は、読書であればいいなと思う。
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