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広島大学教育学部卒業。 読書・昼寝・ゲーム・カードゲームなどを趣味とする。 RIP SLYMEが好き。宮部みゆき・東野圭吾・星新一・夏目漱石・小川洋子が好き。 最近数学・宇宙論・翻訳などに興味がある。 アニメ・声優オタ

2021年8月29日日曜日

学級文庫候補一覧 50音

各記事へのリンク集

 本のタイトル(どの記事にあるか)

のようにまとめます。英語や数字で始まる場合、読み方にしたがって並べます。例 Darth Vader→「ダースベーダ」。伸ばし棒、(半)濁点は無視し、そのたは全て大文字で処理します。 例 ジョークセット→「シヨクセツト」

その1」「その2」「その3」「その4」「その5」 

・悪意(その3)

・悪魔のいる天国(その2)

・アリエナイ理解(その2)

・アリエナクナイ科学の教科書(その2)

・暗号解読(その2)

・生きるためのお金の話(その3)

・大泉洋エッセイ(その2)

・大人の時間はなぜ短いのか(その1)

・思い通りに人をあやつる101の心理テクニック(その3)

・思わずニヤリとする言葉(その3)

・カイジ 「命より重い」お金の話(その3)

・ココロの本音がよくわかる 魔法の心理テスト(その1)

・子どもたちが身を乗り出して聞く道徳の話(その2)

・この算数、できる?(その1)

・佐藤二朗なう(その2)

・サービスの天才たち(その1)

・3分間サバイバル(その4)

・Darth Vader and Son(その2)

・正しいのはどっち?語源の日本語帳(その1)

・誰も教えてくれない お金の話(その3)

・日本人の知らない日本語(その4)

・脳がワクワクする理系ドリル(その2)

・ノックの音が(その2)

・野村の金言(その2)

・博士の愛した数式(その2)

・鋼のメンタル(その1)

・人は見た目が9割(その1)

・フェイクニュースの見分け方(その2)

・フェルマーの最終定理(その2)

・ヘトヘトに疲れる 嫌な気持ちがなくなる本(その1)

・マンガでわかる元素118(その4)

・昔話法廷(その4)

・難しい数式は全く分かりませんが、相対性理論を教えてください!(その1)

・難しい数式は全く分かりませんが、量子力学を教えてください!(その1)

・もう「いい人」になるのはやめなさい!(その3)

・レモンをお金にかえる法(その3)


他クラスの生徒が羨む! 学級文庫にしたい本たち その4

学級文庫にしたい本 一覧(50音)はこちらから

1.「昔話法廷」オカモト國ヒコ

 NHKの有名なやつです。昔話を取り上げて、「これ、実は犯罪ですよね?」みたいな。さまざまな昔話の登場人物を被告人として、法廷でのやりとりが繰り広げられます。そこには、昔話にはなかった裏事情が勝手に織り込まれていたりして、いわゆるモラルジレンマを引き起こす構成になっています。衝撃的だったのは、浦島太郎が地上に帰ろうとしたのは、乙姫に子どもができたことを知り、親になるのが怖かったからだ、という設定(原作がそうなの?勉強不足です)。このように、細部の設定にこだわることで、一方的な結論に終わらないように仕掛けてあります。有罪か無罪か、もしくは、執行猶予をつけるべきかどうか、死刑にすべきか情状酌量の余地があるのか、など、読みながら気持ちが揺れ動きます。現状4巻見つけたのですが、今後続編が出るのなら迷わず購入したい本です。


2.「3分間サバイバル」粟生こずえ

 「ある所でこんな出来事がありました。何がマズかったでしょうか。」みたいな感じで、疫学リテラシーを試してくる短編集。ノロウィルスにアルコールは効果今ひとつであるとか、結核についての知識とか、意外と知られていないことが取り上げられています。いろんなシリーズがあるらしい。サクッと読めるし、朝読書には持ってこい。


3.「マンガでわかる元素118」齋藤勝裕

 元素記号を習うのが中2の後半?3年?よく知らないのですが、アルミニウムとかカルシウムとか、H2OとかCO2とか、塩酸とか、特に最近はDr.Stoneとかの影響で硝酸とかアンモニアとかは、中学校1年生であっても触れたことがあるのではないでしょうか。元素の名前や、物質を化学式で表したもの、化学実験でよく使うものなど、身の回りには化学式だらけです(当然)。そんな化学式を作成するための元素に、早い段階から触れてもいいんじゃないでしょうか。

 本書の利点は、それぞれの元素についてマンガがあること、欠点は、分かりにくいことです。本来、元素一つで一冊書けてしまうようなものもあるのではないかと推察するのですが、それを118種類を1冊にしているのですから、情報不足もいいところです。その中で、同位体とか原子核とか、質量数とか原子番号の表記のルールとかまで触れているので、ガッツリ勉強したい人にとっては物足りない内容です。入門書というか、朝読書にマンガが読めて知識になる、というお手軽さが良いと思います。


4.「日本人の知らない日本語」蛇蔵・海野凪子

 超定番の面白いやつ。留学生に日本語を教えるって、いろんな難しさがあるのだなと。忍者を信じている人や、マンガのセリフを覚えている人、任侠映画のセリフで日本語を勉強した人など、いろんな生徒を相手に奮闘する教師が主人公のマンガです。「すっぱ抜く」ってなに?というか、「すっぱ」ってなに?といったような、今まであまり気にしなかったことだけど、聞かれると確かになぜだろう、と思うようなことってありますよね。というか、今の生徒の日本語力って、任侠映画のセリフとか理解できるんだろうか。うむ、やはり生徒にはぜひともこの本を読んでもらいたい。


5.おわりに

 そろそろ何を紹介してきたか忘れそうなので、一覧を作ろう。


学級文庫にしたい本たち その3

学級文庫にしたい本たち その5

2021年8月28日土曜日

オトナのための最も刺激的な理科の教科書 新版 アリエナイ理科

 


通称「ア理科」とか言われているものらしい。どう刺激的かと言われれば、原子爆弾の作り方が事細かに書かれている、と説明すれば何となく通じるであろう。

「生徒が原子爆弾を作ったらどうするの」

とか思うかもしれないが、読んでみればそのような不安は払拭されるはず。

私はこの本を、学級文庫にしたい。しかしそれには、乗り越えるべき壁がいくつかある。今回はそれを紹介しようと思う。

1.表紙

 頭蓋骨がど真ん中に鎮座しており、「爆発・猛毒・兵器」などの文言が兵器…じゃなくて平気で書かれている。文責・監修をつとめた集団の名前も、「薬理凶室」。ぱっと見、管理職に怒られそう。


2.隠し要素

 表装をはがすと、その裏にすごろくが仕込んである。すごろくの内容がオトナ。RPGのような体力があり、それが尽きると命を落とす。命を落とすと「地獄」という特別マップに行き、様々な18禁罰ゲームを乗り越えて現世(メインマップ)に戻る、という、やばい内容のすごろく。バレなきゃいい、では済まされない。テープで止めるか、もう外しておくか。


3.内容

 未知の情報に触れることを純粋に楽しむことができなければ、本書を読んではいけない。毒薬の作り方も載っているし、兵器の作り方も載っている。

「ふぐ毒を簡単に手に入れられる行為であるさかな釣りは、危険なので禁止にしよう」

「ふぐの調理免許は、合法的に他人にふぐ毒を摂取させる手段足りうるので、この免許の紹介は中学校ではすべきではない」

と言っているようなものだが、上記の2つの例をよんで、「なるほど。確かにそうだ。」と思うような人は、この本を置くことを許可してくれないだろう。


4.おわりに

 結論としては、表紙さえとってしまえば、いけそうな気がしてきた。どうせ、この手の本に反対するような人たちは、本書の内容なんて知らないだろうから、おそらくバレることはない。早速週明けから実装しよう。

2021年8月25日水曜日

他クラスの生徒が羨む! 学級文庫にしたい本たち その3

  今回は、みる人によっては「それ本当に置いていいの?」となってしまいそうな本たちのしょうかいです。


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1.「思い通りに人をあやつる101の真理テクニック」神岡真司

 人が動いてくれるようなものの頼み方、とかって、人生で重要ですよね。そういう◯◯テクニックみたいなものが集まった一冊です。あくまで心理学的なところですし、肩書きはビジネス心理研究家なので、眉唾ではあるものの、書いてあることは納得できるものばかり。書いてある通りを実践する、と言うよりは、書いてあることからエッセンスを抽出して、自分の環境に当てはめて実践する、という気持ちが必要。



2.「レモンをお金にかえる法」ルイズ・アームストロング

 レモネードを作って売ってお金を稼ぐには?経費は?人を雇う余裕は?ライバルが出てきたら?といった、経済学の入門書です。「お金」という言葉を敬遠しがちな学校において、生徒の興味を惹く一冊。図書室には置いてありますが、これが教室にあることに意味がある…と思います。



3.「生きるための「お金」のはなし」高取しづか

 学校では、「預金とか投資とかで実質どのくらい利益が出るか」とか、「リボ払いのシステム」とか、あんまり教えてくれない。そういう「お金」の現実的な問題は、学校で見聞きしておくべき。



4.「誰も教えてくれない お金の話」うだひろえ

 上記の本と合わせて置いておきたい本。こちらは漫画なので、よりとっかかりやすそう。



5.「カイジ「命より重い」お金の話」

 100円のものが150円になったら買わないくせに、100万円のものにオプションをつけて105万になるならまあいいか、となっちゃう。年利12%で100万借りて、毎月1万ずつ返すでいいよ、と言われたら、イイね!と思っちゃう。こんな人たちは、カイジになる素質あり。そんな感じのテイストで書かれている本です。



6.「もう「いい人」になるのはやめなさい!」潮凪洋介

 要は、カウンセリング本です。ちょっと手に取りたくなるようなタイトルで、内容も読みやすいので、採用しました。ただ、「悪い人になれ」と推奨するわけではないのですが、「いい人になるなって言う本を先生がおいてました。だから僕は悪い子になります。」ってなったらどうしよう、とか考えると置きにくい。いや、そんなことをかんがえる人はおいてはいけない本です。



7.「思わずニヤリとする言葉」晴山陽一

 この手の本にありがちなのが、ちょっと性的な言葉。でも、割と真面目な本。なんか、声にだして読みたい日本語、みたいなかんじがある一冊。




8.「悪意」東野圭吾

 超有名な小説家による、それなりに有名な一冊。完全なる悪がオチとして使われており、読んでいて胸糞悪くなる…かもしれない。そんな問題作を堂々と学級文庫にする、いいと思います。




2021年8月23日月曜日

他クラスの生徒が羨む! 学級文庫にしたい本たち その2

  前回の投稿に引き続き、第二弾です。学級文庫にしたい本 一覧(50音)はこちらから



1. 「アリエナクナイ科学ノ教科書」くられ

 科学が好きならこの本は置くべし。SFをガチで考察するとこうなる、という感じの本です。空想科学読本だと思えばいいかもしれない。ネコ耳、不老不死、タイムトラベル、などが科学的にどこまで実現可能か、どういうところが現状不可能(今後に期待)か、など、ワクワクする内容盛りだくさん。著者は「ヘルドクター・クラレ」でお馴染みの(人にはお馴染みの)クラレ先生です。Dr.Stone の科学監修をされている方で、本書で星雲賞(SF系の書籍に与えられる賞)を受賞されています。YouTubeでも活躍されており、私はYouTubeで存在を知りました。(本書より、実は「アリエナイ理科」とかいう、原子爆弾の製造方法をはじめとするエキセントリックな内容の書の方を置きたいのだが、読者である生徒のリテラシーと、科学を純粋に愛する心を育ててからでないと置けない。あと、理解のない管理職や同僚に見つかってしまうとヤバイ。)



2.  Darth Vader and Son

 英語の絵本的なやつです。単語は日本の中高生には難しいかもしれませんが、いうて絵本なので、なんとなく雰囲気で読めばいいのでは。多読の入り口としては良い? 内容は、ダースベーダーの父性あふれるほっこりとした内容です。英語が苦手でも、スターウォーズを知ってたら手に取りたくなる一冊。May the force be with you.



3. 「野村の金言 思考を変えれば人生は劇的に変わる」野村克也

 超有名どころですが、名言集はなかなかの人気を博します。中でも扱いやすいのが野村監督の名言です。わかりやすいうえに、ことの真理を的確についています。また、生徒に響きやすい内容のことが多いですし、部活や受験で使える名言も多いので、教師自身が助かる面もあります。


4. 「ノックの音が」「悪魔のいる天国」星新一

 ショートショートで有名な星新一さんの本は、2冊は常においておきたい。短編集なので、読書が苦手な生徒にも自信を持っておすすめできる本です。星新一さんの本を置く時に必ず気を付けたいのは、その本が短編集であるかどうかです。長編だったり自叙伝だったりすると、読書が苦手な生徒におすすめできません。自分で買って読むなら話は別ですが、教室に置くなら短編集一択です。


5.「佐藤二朗なう」佐藤二朗

 俳優でお馴染みの佐藤二朗さんの本…本というよりは、Twitterのつぶやき集。星新一と同じように、読書が苦手な生徒におすすめしたい。さっくり読めるし、何より面白い。佐藤二朗ファンなら必ず教室におきたい本。意外と生徒は持って帰らない、コスパの良い一冊。


6.「博士の愛した数式」 小川洋子

 説明の必要がないほどの有名作品。これも生徒は不思議と持って帰らないのだが、数学好きとしては置いておきたい一冊。難しい数式なんかはあんまり出てこないが、数学の面白さ・不思議さに触れられる本。この本を読んでいると、数学ができるってかっこいいなって思います。


7.「子どもたちが身を乗り出して聞く道徳の話」平光雄

 道徳は、何を教えるかではなく、どう教えるか、そして、どうやったら子どもたちの心に残る教え方ができるか、という考えでかいてある本であす。構成としては、「価値観の解説(解釈と説明)」→「具体的にそれを伝えるための小話」→「まとめ」となっています。一つ具体的に取り上げて、ざっくりとまとめると、

「自信」

 絶対うまういく、ではなくて、結果が出なくても諦めるくらいの、揺らいでも良いもの。何度転んでも、いずれは起き上がる覚悟とセットで持っておくべきもの(解説)

 高層ビル・スカイツリーは揺れるから折れない。揺らいで安定している。(小話)

 揺るぎない自信ではなく、揺れながらも決して倒れない心が自信(まとめ)

 本書内では、もう少し読みやすく起・承・結でしっかりとした文章でまとめられています。


8.「フェルマーの最終定理」サイモン・シン

 難しい数式も多少は出てくるが、本書は、フェルマーの最終定理が証明されるまでのストーリーをドラマチックに紹介していく、小説のようなものです。本書を読めば、どうやってフェルマーの最終定理が証明されたのか、ざっくりとした流れと方法を説明することができるようになるでしょう。

 合わせて、暗号解読もあれば、いわゆる理数系の生徒は喜んで読もうとします。分厚いので、もう生徒にあげるくらいの覚悟を持って用意する必要があるかもしれません。


9.「脳がワクワクする理系ドリル」半田利弘

 若干物理寄りの問題が多い。と言うのも、出てくる問題が身近にあるものの仕組みに関するものだからでしょうか。身近な出来事を取り上げ、三択問題で物理の本質に迫ります。例えば、「無限にエネルギーを供給できる永久機関を制作しようとしている会社に投資するのはあり?①永久機関ができたらぼろ儲け!あり!②不可能と言われているので、確固たる証拠がない限りは慎重になるべき③可能性はあるので、しっかり話を聞いてから判断すれば良い。」みたいな。それぞれの問題に対する解説も丁寧でわかりやすく、目の前の事象を物理的(科学的)に考える第一歩にはなりそうです。


10.「フェイクニュースの見分け方」烏賀陽弘道

 ネット社会では当たり前となっている「ソースは?」をきちんとしよう、というかんじの本です。情報が正しいかどうかを見極めるために気をつけておくべきことが書かれており、SNSをバリバリに使う中高生たちにはぜひ読んでいただきたい一冊です。メディアリテラシーの教育があまり学校でなされていないのですが、いわゆる“正しい”情報を得て、“間違った”情報に踊らされないようにしてほしい。



11.「大泉エッセイ」大泉洋

 おまけ的な感じですが、単純に大泉ファンなだけです。私が読んで面白い本なので、自分が朝読書の時間で読む本がないときに引っ張り出して読みます。


ex. 終わりに

 とにかく、自分の趣味で本だなを埋め尽くしたい欲に忠実になっています。多種多様な本をおけばいいのですが、自分が良いと思った本を多種多様な担任がそれぞれにやっていれば、クラス替え毎に新しい本に出会えるのではないでしょうか。


他クラスの生徒が羨む! 学級文庫にしたい本たち 

→他クラスの生徒が羨む! 学級文庫にしたい本たち その3

2021年8月21日土曜日

他クラスの生徒が羨む! 学級文庫にしたい本たち

 本ブログが、読書録をつけるために作られたものであることをガッツリ忘れておりました。そしてふと、学級文庫用に本を買ったのですが、これの備忘録をつけたいという気持ちが出てきたので、その気持ちに素直に従うことにします。


学級文庫にしたい本 一覧(50音)はこちらから


0.その前に

 学校で用意される学級文庫以外に、担任の好みで準備する「The 学級文庫」もあるべき。ということで、いろんな本を買って揃えておりました。しかし、同じ本がずっとあり続けるのも面白くないから定期的に交換したい→家に持って帰るのは面倒(というか同じ本もある)→捨てるのもなんか勿体無い→そうだ生徒に持って帰らせよう。ということで、学年末に必ず、「欲しい本があったら、1人一冊持って帰れ。」としている。つまり、今までどんな本があったか、特に、生徒に人気があった本についてはデータがなくなる(持って帰られる)ので、補充する時に「あの本良かったなー」が難しい。そうだどっかにデータを残したい。タイトルと簡単な紹介があれば良いのではないか。ということで、ブログにまとめようと思い至った。



1.「人は見た目が9割」竹内一郎

 だいぶ古いが、言ってることは正しい(気がする)。誤解を生みそうなタイトルではあるが、要は「マナー」なんかもそういう見た目の一部であるとか、「ノンバーバルコミュニケーション」のこととかも重要なのだ、という内容。メラビアン(マレービアン)の法則について言及しており、マンガにおける表情などを例に、わかりやすく“見た目”の大切さを説く一冊。



2.「この算数、できる?」小学校の算数を楽しむ会

 三角形の定義や、図形を構成するパーツの名前(辺や頂点)など、まず簡単なわかりやすい説明があってから、問題を解くという流れで展開される。説明文も問題文もわかりやすいが、少し捻ってあって、つい考えてしまうような問題や、算数(数学)の本質に迫るような問題もある。こういう発想は、ぜひ参考にしたい。例えば、「三角形の紙を2つに切って、次の形を作りましょう。(1)2つの三角形 (2)三角形と四角形」答えは一通りではく、三角形とは、四角形とは、という本質に迫るとてもいい問題だと思いました。(小並感)



3.「ココロの本音がよくわかる 魔法の心理テスト」中嶋真澄

 いわゆる心理テスト。小中学生はこういうの好きよね。高校・大学・社会人になってからも、好きな人は好き。真面目に自己分析とかではなく、話題の種として超優秀。科学的なことは置いておいて、話題として楽しむことができるのが、心理テストのいいところ。正直、心理テストならなんでもいい。タイトルがキャッチーであればベター。(こういう、タイトルなどでつい手に取ってみたくなるような言葉を操れるって大事。本書は、「魔法」「心理テスト」という魅力的なワードの組み合わせなのが良い。心理学的な要素は、タイトルに全て入っている。)



4.「大人の時間はなぜ短いのか」 一川誠

 テセウスの船とか、ラプラスの悪魔とか、そういうパラドクス的なことを考えるのが好きな生徒って、10〜20%くらいいるのではないでしょうか(40人学級で4〜8人くらい)。そういう人って、「大人になるにつれて時間が早くなるって不思議」ということを考えたことが絶対にあります。。。いや、9割以上はあります。本書は、人生の総時間との相対、代謝との関係、錯覚、など、さまざまな角度からのアプローチがあり、生徒も納得しそうな内容になっております。また、そもそも時間とは何かということにも触れており、哲学者アウグスティヌスの言葉「だれもわたしに問わなければ、わたしは知っている。しかし、だれか問うものに説明しようとすると、わたしは知らないのである」(本書の孫引き)についての言及もあります。知的探究心を満たしうる本であるので、毎年置いても誰かが持っていくんじゃないかなとか思ったり。


5.「正しいのはどっち?語源の日本語帳」岩淵匡 監修

 日本語に関する本は、言語学への入り口。「日本人の知らない日本語」とか、「声に出して読みたい日本語」とか、自国の言語についてより深く考察をすることで、「言語」というものへの見方を変えることができるのではないかと、わたしは思っています。そこで、何かと便利な「語源」に意識を向けるというのは、生徒にとっても有意なことである、という考えから本書を選びました。語源(成り立ち)を調べていくと、英語でも日本語でも、語句への理解度や覚えやすさがグンと上がりますよね。私自身、語源を調べるのが好きなので、ついつい手に取ってしまった一冊です。


6.「サービスの天才たち」 野地秩嘉

 人に好かれたら勝ち、みたいなサービス業(偏見)ですが、本書では、さまざまな職業の一流の人たちについての話が紹介されています。圧倒的な専門知識・技能だったり、顧客を喜ばせるために必要な立ち居振る舞いや意識だったりが織り込まれたエピソード集です。さながら、プロフェッショナル◯◯の流儀、的な感じでしょうか。職業についての本ではありますが、日頃から意識しなければならない他人との付き合い方のヒントにもなるのではないか、という考えで、教室においてみたいと思った本です。


7.「ヘトヘトに疲れる 嫌な気持ちがなくなる本」石原加受子

 心理カウンセラーとマナー講師は、私の中では同じくらいに眉に唾をつけて構えるべき対象です。しかし、心のモヤモヤを払拭すべく、藁にもすがるような思いでいる生徒が存在することも確かです。そんな生徒が、人に相談できればそれはそれでいいのですが、そうじゃない時にこういうところに助けのを求めることがあっても良いのではないかと思って、必ず2、3冊は、こういう「カウンセリング系」の本をおいています。内容は正直あんまり見てないのですが、こういう本は主に、悩んでいる女子のために書かれているという印象です。こういう本は、中身を見ないまま適当においておいてもいい本だと思っていますが、中には、「自分中心に生きればいい!」なんて書いてあったりして(本書もそうですが)、一瞬どきっとすることもあります。ただ、この本を読もうが読むまいが、自己中になろうが逃げようが、問題が起こる時は起こるし、そうでない時はそうでないのだと私は思っておりますし、そういう悪影響(?)よりも注目すべきは、読んで心が救われる人がいることではないかと思っております。(というか、自己中になって困るようなやんちゃ系の生徒は、こんな本を読みません。。。多分。)



8.「難しい数式は全くわかりませんが、量子力学を教えてください!」ヨビノリたくみ

 人気数学系YouTuberのヨビノリさんによる著書です。確かにわかりやすい。というか、本当にわかりやすい。小学生でも理解できそう。ですが、対話形式で数式をほとんど使わないので、物足りない生徒には物足りないかもしれない(そんなやつには「量子力学入門」を買い与える)。とにかく、数式を言語化して、本質を理解することを目的に書かれた書籍です。チープな例をしてみると、「関数というのは、片方がの数値が変化すれば、もう片方も変化するという関係を表したものだよ。パンチの速さが変われば、衝撃が変わる、みたいな!」的な。わかりやすいというのは、あくまで大人にとって。子供が読んだ時、果たしてどこまで理解できるか(もはや日本語の問題)。本書だけでなく、「量子論のすべてがわかる本」(コンビニで売ってた!)や、「量子力学入門」などと合わせておいておけば、量子力学への理解がより深まるのではないでしょうか。



9.「難しい数式は全くわかりませんが、相対性理論を教えてください!」ヨビノリたくみ

 難しい数式は…シリーズはいくつかありますが、他には、微分積分、統計などがあるようです。一つ前にも書いたのですが、本シリーズは本当にわかりやすい(私はこの2冊しか読んだことないけど)。入門書としては、本当に良いと思います。ヨビノリさんが人気Youtuberであることも大きい。何を言うか、より、誰が言うかがポイントだ、とよく言われているやつです。


10.「鋼のメンタル」百田尚樹

 SNS時代、生徒同士の関わりも変化してきました。本書はちょっと古いのですが、それを感じさせない内容です(メンタルについてだから、そりゃそうだけども)。心理カウンセラーの本よりも、こういう本の方が私は好きです。だからおいてあります。というか、心理カウンセラー系は女子用、こっちは男子用、という感覚です。


ex.終わりに

 私は、学級文庫が好きです。本が好きです。教室には、学級文庫があるべきだと思っています。しかし、学校が用意するやつって、総じて微妙なやつだったり、自分の趣味に合わないものだったり、クラス間の違いもなかったり…要するに、楽しくない(私が)。だから自分で用意しなければ。あまりラディカルなことができない生徒会とか図書担当の先生が選んでくださった本も良いですが、自分の趣味満載の本もよめ!という気持ちです。

 最初は、自宅の本棚から適当に持っていっていましたが、数に限りがあります。そこで、一冊100円とかの本を置いたり、自分で買って読み終わった本を置いたりと、好き勝手やるようになりました。基本的には、自分が読んだものを置きたい、と思っていたのですが、生徒に「どうだった?」と聞けば読まなくても良いじゃないかとか思ったり。初めてからまだ5年ほどしかたっておりませんが、なんだかんだ楽しいので、いろんな先生におすすめしたい方法です。


他クラスの生徒が羨む! 学級文庫にしたい本たち その2

2021年8月16日月曜日

日本人の奥ゆかしさはどこへ行った?

  最近のJ-popはダサい。最近の小説やアニメ・漫画はなんか寒い。なぜだ。

 もちろん、曲にしても、小説やアニメにしても、最近のものがすべて悪いのではない。が、がっつり流行っているものの中に、「これ、ほんとにはやってんの?なんで?ニンジャナンデ?」というものが増えたという気がしてならない。私はこのことについて考えた結果、ある一つの答えらしきものにたどりついた。

 「最近のものは、なんでもかんでも最後まで説明しきってしまっている。」

 私がこの違和感に襲われたのは、「ギエピー」で有名な某ポケモンの漫画である。その漫画には、ピカチュウが登場しており、昔そのセリフはすべて「ピカチュー」で構成されていた。例を挙げるとこんな感じである。

 A「おいピカチュウ、焼きそばパンかって来いよ」

 ピ「ピー・・・ピカー・・・」

 A「(ぎろり)」

 ピ「ピ、ピカッ!」


それが、ある時から次のようになっていた。

 

 A「おいピカチュウ、焼きそばパンかって来いよ」

 ピ「ピー・・・ピカー・・・(え~、やだなー・・・)」

 A「(ぎろり)」

 ピ「ピ、ピカッ!(は、はいっ!わかりました!)」


読者のレベルがここまで下がったのか。最近の小学生はこれだから。。。と思っていたが、それからだんだん、「そこまで言う?」というものをよく見かけるようになった。漫画で言うと、

 ヒロイン「バカ!」(走り去る)
 主人公「?」
 モブ「(ヒロインは主人公のこと好きだったのにな)」

みたいな。そこは読者を信じて想像させてよ。なんで全部説明したがるの。懐古厨みたいだけど、例えば

 「苦しくっても悲しくってもコート中なら平気!バレーしてると、心がぴょんぴょんするの!…でも、涙が出ちゃう。だって、女の子だもん。」

みたいな歌詞ありましたよね。これ、現代でやると、たぶんこうなります。

 「練習が苦しくっても、うまくいかなくて悲しくっても、コートの中にいると、そんな日々のことは忘れるくらいバレーに熱中できてしまう。憧れのあの人、全然私に振り向いてくれないから、ボールにあいつの顔を思い浮かべて、打ち付けてやるの。でも、練習だってつらい。こんなにつらい思いを忘れるために練習をしてるのに、その練習もつらいなんて、私はどこに逃げ道を見出したらいいの?そんなことを考えていると、涙が出ちゃうの。だって、コートの上では強がっているけど、私だって女の子。恋に悩んだりもするのよ。でも、頑張らなきゃ。。。わかってるのに。。。どうして涙は出ちゃうの?」

はい、なんかJ-popの歌詞ができました。

 英語は、どっちかっていうと後者のJ-popみたいに、説明が大好きです。でも、日本語もそっちに合わせる必要ある?日本語は、一を聞いて十を知るが美徳なんじゃないの?がんばれ日本人!

J-popにおける 「365日」問題について

  Jpopは、「一年」をやたら「365日」と言いたがる、と揶揄されるレベルである。しかし、その真相はいかがか。というか、「詩」である以上、この単語でなければいけない!という確固たる信念の下で言葉を選んでいるはず、という前提をクリアしているかどうか、という問題である。


1.「365日」を使う効果
2.「365日」失敗例
3.「365日」成功例


1.「365日」を使う効果
 そもそも、「1年」と言うのと、「365日」と言うのではどう違うか。ざっくり、
 ・1年という時間が多く感じられる(タウリン1000mg配合!と同じ原理)
 ・1年というひと繋がりの時間を、365種類に分割する。
といったところだろう。もっとあるかもしれないが。

2.「365日」の失敗例
 上記のことを踏まえた上での失敗例を挙げる。一つは、「365日、すべての日々を君といたい」という歌詞である。一年中ではなく、365日を使うからには何らかの意味があるはず、と考えると、次のような解釈ができる。

 a: たくさんの日があるけど、そのすべてを君と一緒にいたい
 b: 1年中というよりは、365日、つまり、4年に一回ある閏年には、一日だけお互いの一人の時間を作ろうね。

bの解釈が可能な時点で、この歌詞は破綻している。そういう歌詞ではなく、ずっと一緒にいたい。春も、夏も、秋も、冬も。という歌詞なのだから、「1年中」を使うべき曲なのである。もし365日的な表現がしたいなら、The beatles のeight days a weekに習って
「380日分、1年を君と過ごしたい」とするか、生涯添い遂げたいという意味で、「21900日」(人生80年、現在20歳としたときの、残りの60年の日数)とするかだろう。どっちにしてもダサい。

3.「365日」の成功例
 その1 「365日の言葉を持たぬキャンバスに・・・」
  これは、1年という時間を365日の一日一日に切り取って見ると、いろんな風景が思い浮かぶ、という内容である。もし仮に、「一日一日という言葉を持たぬ・・・」とすれば、一日に対する重みが増す。しかし、そうではなくて、「いろいろあるんだよ」という意味をもたせたかったからこの歌詞にしたのだろう。
 その2 「一年365日、3歩進んで2ほ下がれ」
  これは、「一年ってたくさんあるんだから(人生は長いのだから)、ちょっとくらい下がったっていいんだよ。頑張り過ぎなくても(焦らなくても)いいんだよ」というメッセージが込められている。

4.おわりに
 365日も使いよう。言葉を大切にしよう。