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広島大学教育学部卒業。 読書・昼寝・ゲーム・カードゲームなどを趣味とする。 RIP SLYMEが好き。宮部みゆき・東野圭吾・星新一・夏目漱石・小川洋子が好き。 最近数学・宇宙論・翻訳などに興味がある。 アニメ・声優オタ

2022年10月30日日曜日

be動詞と一般動詞を一緒に使わせないために

 中学校3年になっても、

I am go to Tokyo.(誤)

とかやっちゃう生徒の多いこと。

まずは1年の時からしっかり訓練が必要ですが、進行形の後にまた再発することもあり、厄介です。

結局は、その都度教えていかないといけない。


そこで今回は、簡単な導入と訓練の方法について、備忘録をつけます。


1.日本語を通して

まずは以下の二つのグループの違いに着目させます。

Aグループ

私はケンタだ。

猫は可愛い。

鳥の羽は、繊細で美しい。


Bグループ

私は勉強する。

猫は早く走る。

鳥は羽を使って空を飛ぶ。


どんどん次のような例を出して、それぞれどちらのグループに入るかかんがえる。

・蛇は細長い

・ありは虫を運ぶ


生徒の気づきとしては、

「ですます調にすると、Aはです、Bはます。」

「蛇=細長い、という特徴か、あり→運ぶ、という動作か。」

「be動詞か一般動詞」

など挙がるが、文法用語は極力使わせず、それぞれの役割(特徴)に注目させ、「主語=補語」、「主語+動詞(+目的語)」であることに気づかせる。

この後、例文を生徒に作らせて、どんどんグループ分けをさせていく。(ペアやグループでも可)


2. 英語で

3語程度の英文で練習。

I am Ken.

I eat apples.など

ここで、英語には2種類、

「主語+be動詞」か、「主語+動詞」

が存在し、その2つしか存在しないことを伝える。そして、その二つを混合して使うことはできないこともつたえる。なぜなら、日本語で確認した通り、それぞれ役割が違うからである。



3. 進行形

進行形では、be動詞と一般動詞が混在するように見えるため、生徒が不思議に思う。

が、ing形はもはや動詞ではなく、形容詞的な役割であることを確認する。「〜している【状態】」と、訳すときに【状態】をつければ、日本語のですます調で「です」になるので、便利。

それ以前に、動詞には「現在形」と「過去形」の二つしかない。ingや過去分詞は動詞ではない、と伝えておくのも必要。


4. 何度もやる

持ち上がり学年ではない場合や、持ち上がりであっても忘れている生徒は多い。

英作文やテストでの誤答を受けて、必要な時にまたAグループBグループの区別を練習させる。このときは、例文に

「健太はいま走っている」

「指が骨折している」

「健太は指を骨折した」

「健太は英語をよく知っている」

などを混ぜ、【状態】なのか【動作】なのかどうかを判別させる。


5.終わりに

【状態】、【動作】と聞くと、状態動詞と動作動詞の区別が思い浮かぶが、ネイティブの広島人なら、広島弁を用いて解決できる。広島弁は天才なので、東京弁なんかでは「〜している」としか表現しないものを、

「〜しよる」(動作動詞にのみ適用可能)

「〜しとる」(動作、状態どちらにも適用可能だが、【状態】の意が強くなる。)

の二つで使い分ける。

例)

・あいつは本を読みよる。(目の前で本を読んでいる様がありありと伝わる)

・あいつは本を読んどる。(読書中、という状態。動作主が見えてなくてもいい。)


もっとわかりやすく意味の違いが現れるのは、

・寒くなりよる(だんだん寒くなってきている。)

・寒くなっとる(完了形。もう寒い。)

・死による(死にそうになっている)

・死んどる(死んでいる)

詳しくは、こちらの記事を参照。

広島弁の「~しよる」と英語の"~ing"の類似から文法の授業を考える


と、言ったところで、最後脱線しましたが、以上私的備忘録です。

2022年10月29日土曜日

中学生 仮定法 よくある間違い

 仮定法過去の分かりにくいところは、

現在のことを表現するのに過去形を使う

という点。しかも、何でもかんでも動作を過去形にすれば良いわけではない。たとえば、こんな間違いがよくある。

※ If I went to America, I ate Pizza.

これは、中学校で習う文法に絞るなら、次のような可能性がある。

・If I go to America, I will eat Pizza.

もしアメリカに行くなら、ピザ食べたい。

(将来のことなので、行くかどうかはわからない)

・If I could go to America, I would eat Pizza.

もしアメリカに行くことができたなら、私はピザを食べるだろうな。

(なんらかの理由で、アメリカに行くことができない。だから、ピザを食べるつもりは、今はない。)

・If I would go to America, I would eat Pizza.

アメリカに行く気が私にもしあれば、ピザを食べるだろうな。

(アメリカに行く気が(意志・予定が)ない。だから、ピザを食べるつもりは今はない。)

・If I could go to America, I could eat Pizza.

もしアメリカに行くことができたなら、私はピザを食べることができるのに。

(アメリカに行けないから、食べることはできない。食べたい気持ちはあるかも。)

・If I would go to America, I could eat Pizza.

アメリカに行くつもりがあれば、ピザを食べることができるのに。

(行くつもりがないので、食べられない。食べたいけど。)

これに、If I were able to(実行できたら) や、If I were goin to(予定があれば)などのパターンを加えると、もっと増える。

結局何が言いたいかが分からないと、そして、その表現したいことがどの文法、どの単語で表現できるかを知らないと、「とりあえず過去形にする」やつが続出してしまう。


本記事では、どういう時に過去形、would、couldを使うのかをざっくり説明する。

①過去形を使う場合

 If I went to America, ...が間違いで、 If I knew America, ...は正しい。仮定法では、動作動詞はそのまま過去形にして使ってはいけない。状態動詞ならOK。とかいう危なげな見分け方もできるが、もう一つ簡単な見分け方としては、現在形の否定文を作って意味を確認する方法がある。

I don't go to America. 私は普段アメリカに行かない。→If I went to America, ...もし私が普段(日常的に)アメリカに行くなら。

I can't go to America.わたしは、(なんらかの理由で)アメリカに行けない。→If I could go to America,(もしアメリカに行けたら)

I don't know America.アメリカを知らない。→If I knew America(アメリカを知っていたら、)


②wouldを使うかcouldを使うか

 wouldは、「〜するつもりがある」「〜だろう」

 couldは、「〜することができる」「〜する可能性がある」

で使い分ける。


以上のことがざっくりと理解できていれば、「仮定法だから単純に過去形を使えばいい。」が、間違っていることに気づくことができるだろう。