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広島大学教育学部卒業。 読書・昼寝・ゲーム・カードゲームなどを趣味とする。 RIP SLYMEが好き。宮部みゆき・東野圭吾・星新一・夏目漱石・小川洋子が好き。 最近数学・宇宙論・翻訳などに興味がある。 アニメ・声優オタ

2020年4月27日月曜日

英語授業・全校での共同学習のすすめ「主体的・対話的で深い学び」をめざして(2/5)

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1.私の授業方針
 1A.英語教育の目的と私の授業方針
  英語教育の目的(人格形成と学力形成)を大切にして、「人間教育としての英語楽習をめざしてきた。コミュニケーションそのものよりは、その中身を大切にした。その授業方針は
 ・わかる、楽しい、仲間と、表現できる
 ・世界と出会う
 ・豊かな深い学び
 ・生徒とつながり、生徒をつなぐ
である。
 1.B.授業開き
  授業開きは、2回に分けて。
 ・あいさつ、呼名、グループの導入、自己紹介、歌の導入、ファイル等の配布
 ・歌、グループ確認、ペアやグループへの移動の練習、学び方の導入
2.表現力・作文力UPの帯活動
 2A.ハピコミ(Happy communication)   
   名前、ニックネーム、住んでるところなど、お題を決めておいて、多くの人とジャンケンなどをしながら自己紹介をし合う。聞いたことをメモする。その際、アイコンタクトやハイタッチ、リアクションなどをするように指示。
 2B3つの活動で英語ができると実感できる生徒を増やす
  ・Power Up English
   目標の文法を用いた疑問文を与え、ペアなどで質疑応答をさせる。疑問文・相槌・日本語訳が表になったプリントを用いる。
  ・Smile Input
   英文と日本語訳を用意し、日英訳の繰り返し練習。見ないで言える、試験前には書けるようにする、など、目標を持たせる。全体で読みを確認するのも大切。
  ・重要単語の練習
   一回(一枚)30語程度にして、プログラム毎に更新するくらいのペースで。
 
以上3つをあれこれと。単元テストで成果を検証することも忘れずに。

 2C.~E.ビンゴ・日常会話(QA)・英語の歌を活用

3.教科書を使ってどう授業をするか
 口頭導入、理解した上での音読、習った文法を使った言語活動、作文、など。
 本文は全体で、単語はペアで、など、扱うもの次第で形式を変える。
(筆者覚書:ここでガリバーの冒険の単元を扱った時のことが書かれている。四方読みなどの方法の紹介などあるが、具体的すぎるので割愛。)

・教科書の読み物を使っての多読
 日本語での発問をつけて、冬休み課題として一人で読んでくるように指示。なお、自信がない生徒は、休みに入る前に友人と読み合わせをしても良いとした。休み明けには、グループで答え合わせ全体で答え合わせをすると伝えた。

4.音読の方法
 意味がわかった英文を読むことは重要。
・全体での音読
 チャンク読み・一文読み・重ね読み・バズリーディング・リードルックアップ・シャドウイング
・ペアでの音読
 教師生徒ペア読み・生徒同士ペア読み・鉛筆置き読み・対面シャドウイング・背中合わせシャドウイング
・グループでの音読
 合わせ読み・リレー読み・合わせ読みとリレー読み組み合わせ・Don’t read the last sentenceゲーム
・家庭での音読・筆写
 5回で1ポイントなどの回数読み(読み・書きどちらも)
 音読シートを用いて暗唱をめざす

5.自己表現で「主体的・対話的で深い学び」を実現させる。
 授業で学んだことを用いて、生徒自身のことや考えを表現させる活動は、「主体的・対話的で深く」考えさせることにつながる。テーマを与えて、グループで、全員が書けるようにする。(覚書:ここでは、未来形を用いてmy summer planを書かせる活動が、ワークシートと共に紹介されている。ここでは、エッセンスのみ取り上げる。)
 ・清書の英文を仕上げる
  確認でビンゴを取り入れる
  表現の復習
  他者が書いたsummer planをグループで読み取る(日訳の空所補充)
  実際に書いてみる(すぐに聞けるようにグループで)
  数人に発表させる
 ・次の時間で班内発表会
  発表の負担を減らす。(班で一人選んで全体発表も可)
  聞く生徒も、評価と感想を書かせる。
  授業のはじめに、数人ずつ発表させる
  作品を廊下に掲示し、ベスト5を選ばせる。(自分クラス・他クラス、それぞれ理由をつけて)
 ・英文の書き方指導
  →2年せい前半までは、作成メモを書かせて英文にさせる
  →2年生後半からは、つながりに注意させる
 (覚書:1年後半からつながりは意識させてもいい気が)
 ・三年間の学びを英語卒業論文にまとめる
  →My dreamMy opinionを書かせる
  →12月ごろに伝達し、内容は考えさせておく。
  教師の例を提示する(dream / opinion2種、合計4種)
  進め方は
    単語学習、書き方確認(OREOなど)、例文の学習、My dream の下書き、教師・ALTのチェック、My dreamが終わったらMy opinionの執筆、清書を廊下に掲示
 ◯この学習のポイント
   作文練習をし、形式を提示し、全員が書くという目標をもたせ、聞き合う関係ができていて、教科外の活動などで生徒が書く内容を持っていた。
 (覚書:生徒の作品や教師の例文も本書には掲載されているが、割愛)                                     (次:3/5へ)   

2020年4月25日土曜日

英語授業・全校での共同学習のすすめ「主体的・対話的で深い学び」をめざして(1/5)

0. 前書き
 質の高い学びの実現に向けて整理し(第1章)、改訂学習指導要領への対応を説明し(第2章)、実践例の紹介(第3章)、全校で学びに取り組む体制:学びの共同体づくりの進め方(第4章)、協同学習による学校改革の紹介(第5章)があり、「子供たちにとって、学校が第2のホーム」になるような協同学習のあり方(第6章)、教師の実践力の高め方(第7章)という形で本書を書き進める。

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1.英語教育における協同学習の進め方と効果
 11.協同学習とは
  「少人数集団で自分と仲間の学びを最大限に高め合い、全員の学力と人間関係力を育て合う教育の原理と方法」(p10
 12.英語での協同学習の進め方
  全体での教授やつなぎと、ペアやグループでの学習を有効に組み合わせる。全体での形も必要だが、全員を参加させるためのペアやグループ。その際、注意すべきは次の2点。
  ・すべての生徒を引き受ける
  ・教室内にケアし合う関係を作る
 13.協同学習の効果
  131
   ・認知、学習面:学力・意欲の向上
   ・対人、社会性面:協同力の向上
   ・心理面:自信・自尊心の向上

  132.成果と課題(生徒アンケートより)
   授業に積極的に参加でき、より楽しくなるが、グループでの私語が多くなることもある。

2.協同的学びを成立させるには
 2.1.英語教育の目的を考える
  人格・学力形成にあり。学習指導要領より   
 指導要領では人格形成に触れられてはいるが、具体的な人間性について触れられていない。「AIにとって代われぬ人間固有の資質」(p.17)を育むことが大切なのではないか。
 22.協同的学習の3要素
  真正の学び、聴き合う(学び合う)関係、ジャンプのある学び。
 ・聴き合う関係
  わかった人が教えるのではなく、わからなかったら自分から聞く、を徹底する。
 ・英語科としての真正の学び
  英語教育の目的に即したふさわしい教材を使い、学力差が大きくなることを考えて、支え合って学ぶことができる工夫が必要。活動やトレーニングが必要な教科であるため、参加していないペアやグループがないような工夫を。
 ・ジャンプのある学び
  難易度・内容の2つの視点から。(筆者覚書:原典に触れる・英語で道徳をする?)
  個人作業をグループ作業化することもジャンプに繋がる。自己表現をグループ作業にすることで、どの生徒も取り組める課題になる、など。
2.3.知性を育てる英語授業
 英語の授業は英語で行うという文言から、「使える英語」に特化した授業が目立つ。しかし、それでは知性が置き去りになっているのではないか。
 知的・論理的英語力を育てるための8つの指導原則
 ・内容的に、繰り返し味わえる質の高い英文を
 ・読み取るだけでなく、それを踏まえて自らの考えや態度を省みることができるよう、推論発問・評価発問が必要。
 ・リスニングやリーディング自体を目的とせず、単元目的などに即した自然な目的を持って臨ませる。
 ・読んだり聞いたりしたことについて対話させる。
 ・特に論説文については、疑問や意見、対案を出させる。
 ・調べ学習や発表の機会を設ける。
 ・重要文法事項などを何度も繰り返し学習できるような意味のある課題を設ける(覚書:Randy Pauch的には Head Fake)
 ・生徒の意見交流に際して、教師が中立的な司会者として反応する。(覚書:つなぐ・戻す?)
24.まとめ
 以上の内容のまとめ

3.改定学習指導要領の前進面と課題
 3.1.評価できる面
  ・知識理解の質を高め、確かな学力を育成した。
  ・主体的、対話的、深い学びができた。
  ・授業改善が進んだ。
 32Active learningから「主体的・対話的で深い学び」へ
  「能動的に参加」という言葉をより明確に。
   ・主体的
    興味関心を持ち、見通しを持って学習活動を振り返る
   ・対話的
    生徒・教員・地域の関わりや、先哲の考えを手がかりに自己を深める
   ・深い学び
    習得・活用・探究(広島市教員の言葉を借りて:学びのし・か・た)を通して、知識を相互に関連づけてより深く理解する、情報を精査して自身の考えをまとめる、問題を見出して解決策を考える

 33.英語科としての学びに向かう力
  外国語の背景にある文化を理解し、対話相手に配慮して主体的にコミュニケーションを図る・・・具体的ではない。
  ・異文化理解、適応能力
  ・授業中のコミュニケーションでの社会性の育成
  ・教材内容から、視野を世界に
  ・言語の仕組みに内包される対人交渉文化
  ・他言語使用における精神的、社会的自由の拡張
 というふうに、具体的に想像し、まずは教員が理解し、授業に意図的に組み込まなければならない。
34.英語教育の課題:早期化・超高度化
 中学校入学時点で、英語嫌いが増えてくる可能性あり。
  ・小学校では授業が増え、中1レベルの学習に。
  ・中学校では難しくなり、現在完了進行形・仮定法まで。
  ・高校では大幅に難しくなり、発信力の強化を求められる。
35.改定学習指導要領への対応
 以上を踏まえて、工夫しよう。
4.グループ学習の3類型と本書で扱う協同学習
 ・班学習 ・話し合い学習 ・協同的学び(最近接領域・民主主義・対話的コミュニケーション)
 特に3つ目に注目している(筆者覚書:気がする)

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1.私の授業方針
英語教育の目的(人格形成と学力形成)を大切にして、「人間教育としての英語楽習をめざしてきた。コミュニケーションそのものよりは、その中身を大切にした。その授業方針は
 ・わかる、楽しい、仲間と、表現できる
 ・世界と出会う
 ・豊かな深い学び

 ・生徒とつながり、生徒をつなぐ
である。