最近読書ログではなくなってきているので、この辺で軌道修正を。
今回は、巷で有名になっている乙一の作品を読みました。
この本は二本立てで、「夏と花火と私の死体」と「優子」という作品が収められています。
両作とも、ジャンルはホラーのようです。
夏と花火と私の死体
1. 視点
この作品は、いわゆる一人称の作品です。しかし、なんだか不自然。と言うのも、「わたしは弥生ちゃんを羨ましげに見ながら」(p.13)というセリフが。ここにも一つ仕掛けがあります。
2. 全体としての小説の均衡
変わった一人称から始まり、最後の落ちにつながるところまで、この「一人称」がずっと効果的に働いています。全部読んだから言えることですが、最初の10頁位を読んでからいきなり落ちを見せられても、何となくなっとくできそうな内容。
3. 波
この作品は、大きなどんでん返しを期待して読むものではありません。とはいえ、途中途中で小さな波がいくつかあります。飽きることなく、スッと読み進めていくことが出来るように思います。
優子
アンビギュイティー
どちらが正しいのか、嘘なのかほんとなのか、といった、どちらともとれる内容の作品であるような印象を得ました。人によって解釈のしようが分かれそうです。もしかしたら私自身が単に読み込めてないだけかもしれません。
話に流れや内容があると言うよりは、どっちなのかという点に焦点を当てたような構成であるように思います。
全体
全体的に、ホラーともミステリーとも言えるような内容でした。ミステリーがお好きでしたら、読んでいて楽しむことが出来るように思います。
ただ、小学校の図書館にあるむずかしめの作品といったような感じで、「本格○○」を求めて読むものではないかな、とも思ったりします。
0 件のコメント:
コメントを投稿