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広島大学教育学部卒業。 読書・昼寝・ゲーム・カードゲームなどを趣味とする。 RIP SLYMEが好き。宮部みゆき・東野圭吾・星新一・夏目漱石・小川洋子が好き。 最近数学・宇宙論・翻訳などに興味がある。 アニメ・声優オタ

2019年6月28日金曜日

ハイランダーデッキと学級経営

 筆者は、カードゲームの構築のポイントを通して、学級経営のポイントを見出そうとしている。これは、筆者がカードゲームという文化を尊重しており、生徒をカードに例えることを冒涜と考えていないからである。この例えに違和感を覚えたり、憤りを覚えたりすることはせずに、一意見として受け止められれば望外の喜びである。また、ここで展開する議論は、筆者の価値観に基づくものであるため、一般的な感覚とずれている部分もあるかもしれないが、そこはご容赦いただきたい。

1.カードゲームのハイランダー構築の性質
 カードゲームには、ハイランダー構築というものが存在する。本来カードゲームでは、同名カードを複数枚使用することができるのだが、すべてのカードをそれぞれ1枚ずつしか使用しないタイプの構築をハイランダー構築という。
 ハイランダー構築において大切なのは、1枚1枚の全てを根拠を持って採用すること、カード同士の関係を考えること、試合では毎回その場その場の違う展開に柔軟に対応すること、などが挙げられる。これは、カードを複数枚使用しないため、カード1枚の価値が非常に重たいこと、毎回違う手札になるため、決まった戦法が存在しないこと、が理由である。
 また、デッキ内容を調整する時、他のカードとの関係や、そのカード単体の能力を重視して少しずつ入れ替えをしていく。それは、デッキとしてよりよい試合展開ができるようにするためである。

2.学級経営の性質
 学級経営では、30ないしは40人の異なる生徒をどう活かしていくかがポイントである(と考えている)。一人ひとりの存在価値を認識し、生徒同士の関係性を考え、その場その場で様々なことに対処していかなければならない。これは、生徒一人ひとりの存在がそれぞれ尊重すべきものであり、生物である生徒を扱う上では、これという決まった指導方法が存在しないことが理由である。
 また、クラスの方向性を決めていく時、生徒同士の関係や、それぞれの生徒がどのように活躍できるかを考えて、少しずつ指導していく。そうして、最終的な卒業までに身に着けさせたい資質を養うことを目標としている。

3.それぞれの共通点
 この2つの共通点は、カード1枚1枚、生徒一人ひとりを尊重し、それらの関わりや各個人がどのように活躍する場を作っていくことを通して、自分が描く最終的なゴールを目指していることである。また、何度も軌道修正を試み、トライ&エラーを積み重ねて改善を求めている点も共通している。

4.実際の学級経営にどう活かすか
 デッキを精査する時、不要なカード、より良いものに変えることができるカードを探す。もちろん、学級経営では、クラスのメンバーを入れ替えることはできない。しかし、生徒は成長することができる。今のクラスにおいて力を発揮できていない生徒を探し、その生徒がより力を発揮できるような場面を設定したり、他の生徒との関係を作らせたりすることで、その生徒のクラスでの存在意義を高め、結果としてクラス全体がより良いものになっていけるのではないかと考える。
 どこかの話で聞いた、目立つ生徒ではなく、目立たない生徒に注目し、その生徒がより活躍できる場を提供し、育てる、というような内容のことが、カードゲームのデッキ構築の考えと似ていると感じた。
 まずは、いま活躍できていない生徒が誰なのか、また、その生徒を活躍させるにはどうすればよいのかを考えることが、学級経営における指導の一つになるのではないか。具体的には、授業での発表回数、クラスでの発言の回数を増やしたり、その生徒に話しかける回数を増やしたり、といった指導が容易に考えられる。

5.まとめ
 カードの構築も学級経営も、一人ひとりを重視することから始まる。そして、目立つ生徒や強力なカードではなく、そうでない生徒への手立てを考えることが大切である。
 カードゲームも生徒も、違う性質のものがたくさんある方が、やっぱりおもしろそうだ。