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広島大学教育学部卒業。 読書・昼寝・ゲーム・カードゲームなどを趣味とする。 RIP SLYMEが好き。宮部みゆき・東野圭吾・星新一・夏目漱石・小川洋子が好き。 最近数学・宇宙論・翻訳などに興味がある。 アニメ・声優オタ

2011年4月13日水曜日

ミクロの造形美 ~80万倍の神秘~

五冊目:超ミクロ世界への挑戦~生物を80万倍で見る~ 田中敬一著

まとめ+私見(9:1)
0.偶然の産物
対象物を、ある特殊な方法で乾燥させる。すると、姿かたちはそのままで脱水をすることができる。その対象物をスキャンした時、その画像を80万倍にしても画像が乱れない。80万倍と言えば、ピンポン玉が月になるような倍率である。そんな高倍率での観察を可能にしたのが、この著者が設計した電子顕微鏡(超高解像度走査電顕)である。この装置の完成の裏にある努力と勘、そして偶然をおさめたのが、この本である。

1.知識を疑う
私たちはつい、物事を分かった気に"なってしまう。そして、大きな落とし穴はそこにある。"知識"のある人なら、意味がないと"分かっている"ことはしないだろう。それが大きな落とし穴となる。(教授なら)普通はしないことを、学生は平気でやってしまう。そこに新たな発見だってあるのだ。

2.常識(通説)を疑う
~は出来ない。~は不可能だ。そんな定説の中にも、間違ったものはある。かつてこの電子顕微鏡は、7~8万倍が限界と言われていた。著者もそれを信じていたようだ。しかし、15万倍の画像が撮れることが判明するや否や、著者は80万倍への確信を持つ。 出来ると思ってやるのと、出来ないと諦めてやるのでは、結果は歴然である。80万倍という倍率も「すごい」のだけれども、それまでの通説を破ったことも評価されるべきである。

15万倍の倍率での撮影は、1981年、長武均:おさたけひとし (ら)によってなされた。

3.百聞は一見に如かず
ミクロの世界を、想像だけで話すのには限界がある。現に、当時考えられていたミクロの世界の一部は、この顕微鏡で観察された物とは異なっていた。但し、この顕微鏡でものを見るには、対象物を乾燥させる必要がある。乾燥の過程で、「全く変化がない」とは断言できない。何が正しいのかは、これからの科学の進歩に期待である。

アマゾン:超ミクロ世界への挑戦生物を80万倍で見る

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