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広島大学教育学部卒業。 読書・昼寝・ゲーム・カードゲームなどを趣味とする。 RIP SLYMEが好き。宮部みゆき・東野圭吾・星新一・夏目漱石・小川洋子が好き。 最近数学・宇宙論・翻訳などに興味がある。 アニメ・声優オタ

2011年4月13日水曜日

究極のやさしさ

二作目:やさしさの精神病理 岩波新書 大平健著

最近の日本における「やさしさ」とは何なのだろうか。

この本にある「やさしさ」の一例は、席を譲らない「やさしさ」。

これは、席を譲る=相手を年寄り扱い=よくない
という現代日本における不思議な現象から生じた「やさしさ」である。

そういえば、と、ふと考えると、最近身のまわりでも変な「やさしさ」を見つけたり、周りの人が言う「あの人やさしーよね」に同調できなかったりする。

それで、いったい優しさ・優しいとは何なんだろう、と思って買って読んでみた。


結論から申しますと、この本による「やさしさ」は、
「お互いを傷つけないやさしさ」
でありました。

もう少し付け加えると、

過去において、優しさは、慰め思いやりであり、
この「やさしさ」は、不干渉にあります。

優しさが、傷ついたものをいやすものから、
あらかじめ誰も傷つけない配慮

にとってかわられたのです。

もっと詳しい変遷を書きますと、
人の心を和ませる=優しい
お互いの傷を舐めあう=やさしい
お互いに傷をつけない=「やさしい」

となります。


ただ、この三つのヤサシサには共通点があります。それは、 人間関係における潤滑油の役割です。

つまり、現代の日本の若者が求める人間関係は、お互いに干渉しない関係、hot ではなく、もう少しcoolな関係:warmな関係であるということができます。


最近、人形をペットにする人が増えたのも、このせいだと言えます。なんせ人形は、傷つかない。心がありませんから。さらに、私たちを傷つけることはしない。人形は私たちに反論しないし、すべて受け入れてくれる。なぜなら、人形の意思は、持ち主が恣意的にきめることができますから。また、人形が死んで私たちを置いて行ったり、悲しませたりしませんから。

これぞ現代日本における究極の「やさしさ」ではないですか。

時代とともに変わる言葉は
言葉とともに変わる時代を象徴している
といっても過言ではないように思います。


やさしさの精神病理:アマゾン

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