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広島大学教育学部卒業。 読書・昼寝・ゲーム・カードゲームなどを趣味とする。 RIP SLYMEが好き。宮部みゆき・東野圭吾・星新一・夏目漱石・小川洋子が好き。 最近数学・宇宙論・翻訳などに興味がある。 アニメ・声優オタ

2011年4月21日木曜日

ご都合主義的現実感

小川洋子 (2000) 『偶然の祝福』 角川文庫

以下はこの小説に関する感想・考察である。
内容には触れない。

A:この小説について
この小説は連続小説である。
一章ごとに話は一応の完結を見せるが、
それぞれが有機的・時間的な関わりを持っている。



B1:この小説における「偶然」
タイトルにもあるように、この小説では度々「偶然」が起きる。

一般的に、このような「小説における偶然」はしばしば、「ご都合主義」と呼ばれる。
つまり、「小説が面白くなるように」、また、「この先の展開に合わせて」
「都合良く」事件を起こしたりすることである。


しかし、この小説における偶然は、
特に何らかの伏線を張っているようには見えない。(ただ読み取れていないだけだ、という可能性はあえて無視する。)
それに、あまりにもたくさんの「偶然」が、それも単発的に起きる。

B2:「偶然」の効果
「事実は小説より奇なり」という言葉にもあるように、
実世界とは、案外偶然に溢れているのかもしれない。

この小説における偶然は、そう言った「実世界に溢れる偶然」であるように思える。
その偶然ゆえに、小説が現実味を帯びているように感じる。

C:感想
この著者の作品では、事件や出来ごとがあまり起きない。
その分(?)、あれこれと考えたり、勝手な解釈を付けながら読むことが出来るように思える。
逆にいえば、筆者の読書力では一読してこの本を「読む」事が出来ない。何度か繰り返して読みたくなるような本である。

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