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広島大学教育学部卒業。 読書・昼寝・ゲーム・カードゲームなどを趣味とする。 RIP SLYMEが好き。宮部みゆき・東野圭吾・星新一・夏目漱石・小川洋子が好き。 最近数学・宇宙論・翻訳などに興味がある。 アニメ・声優オタ

2011年4月13日水曜日

日本語を支配するのか、日本語に支配されるのか。

七冊目:日本語へそまがり講義 林望著 PHP新書

0.Which is to be master
この本は、我々と違った視点から、また歴史的視点から日本語を見ている。このあとがきで、以下のようなことを述べている:「言葉は変化するもので、捉えどころがない。その捉えどころのなさが、言葉の本質である。言葉を客観的に固定するのではなく、自らが自ら発する「言葉」に自覚的になるべきだ」

そこで、筋違いもいいところかも知れないが、この本を読んだ時Humpty Dumptyを思い出した。

When
I use a word,' Humpty Dumpty said in rather a scornful tone, `it means just what I choose it to mean -- neither more nor less.'

`The question is,' said Alice, `whether you can make words mean so many different things.'

`The question is,' said Humpty Dumpty, `which is to be master - - that's all.'

H
:俺が言葉を使うとき、その言葉は俺が選んだ意味を持つ。
A:
そんなことできるの?
H:
問題は、(言葉と人間と、)どっちが主人になるかだよ。
(拙訳・大意)
本文引用元
http://www.literature.org/authors/carroll-lewis/through-the-looking-glass/chapter-06.html

まとめ+私見
1. 読み書き
文章を書く時、我々は読者を意識しなければならない。こんな基本的なことが度々忘れられてしまっている。
1.1 漢字を正しく書くとは
「突」という字は本来、「穴」から「犬」が出たものである。今の漢字を見ると、何やら卑猥な感じである。これをもし、穴に犬と書いたら、それは正しい字なのか。また、かつて活版がない頃は、略字・癖字等の異体字が認められていた。これらの「字」は、正しくないのか。ようするに、「読み手が読んで分かればOK」ではないか。漢字をノートに書く時、定規をつかって丁寧に書くのは、無駄以外の何でもない。ただし、書道においては、字の美しさを追求するべきである。
1.2 「土産」と「宮笥」
両者とも、「みやげ」である。神社などに赴いた時は、そこの「魂の断片」である宮笥を持って帰るのが日本人の慣習であった。それが土産と同じようになり、今では専ら「土産」である。魂の断片という概念に関しては、おかわり・お裾分けにも同じようなことが言える。
1.3 敬語
敬語を意識しすぎて、読み手への意識が薄れることがある。例えば、読み手にとって、「させていただく」を使いすぎた文章はクドイ。傲慢にならない程度に敬語のレベルを押さえるべきである。本書の例では、「そのときのX先生のしかじかの言葉や、かすかなほほ笑みを私は今に忘れない」とある。「いただく」などがなく、それでいて先生への敬意は残されている。
1.4 ヤンキー語
敬語と比べられるのが、若者言葉・ヤンキー語である。敬語は良い、ヤンキー語は悪いという風潮は、今に始まったことではない。かの芭蕉・西鶴も、ヤンキー語の使用者であった。それが俳句にも残っている。そしてその俳句は、今や評価されている。世に認められていないヤンキー語でさえ、新しい文学の領域を開拓する「可能性がある」ということを忘れてはならない。

2.日本語の響き
言語には、発音やリズムなどの特有なものがある。それらが日本の歌(歌曲・詩歌・俳句)にどのような影響をもたらしたのか。なぜ「聞き心地・歌い心地の良い・悪い」歌があるのか。芭蕉の歌・箱根八里・昭和の歌謡曲が、昔の書物に受けた影響とは。天皇の御歌の優れている点とは。などを、具体例を用いて解説をしている。あまりに具体例が多く、まとめ切らないので、ここは割愛する。

3. 言葉の洗練
この章では、大きく以下の三つが論じられている。
・言葉の乱れに対する荷風の憤りと、日本語の「誤用」について
・「食う」と「食べる」、「ふぐ」か「ふく」かなどの歴史的背景やその使い分け
俳句の付合(つけあい)について
2.と同じ理由から、この章も内容の簡単な紹介にとどめる。



感想:日本語の歴史的背景を知ることが、今の言語の使われ方を知る上で以下に重要か分かったように思える。文法などに固執することなく、もっとおおらかに、且つ自覚的に、言葉と向き合っていきたいと思う。

アマゾン:日本語へそ曲がり講義

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