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広島大学教育学部卒業。 読書・昼寝・ゲーム・カードゲームなどを趣味とする。 RIP SLYMEが好き。宮部みゆき・東野圭吾・星新一・夏目漱石・小川洋子が好き。 最近数学・宇宙論・翻訳などに興味がある。 アニメ・声優オタ

2011年4月22日金曜日

Schneewittchen→Snow White

グリム童話の英訳(改作)を読んで、その改作に関する考察をまとめる。
ただし、原文を読んだことがないので、完全に主観的な感想として書く。

注目する点は三点:

1.死体愛好家を匂わす
王子は死体愛好家では無くなっている。

2.ロリコンを匂わす
白雪姫は7歳である。

3.継母の処罰
熱した鉄の靴を履いて、死ぬまで踊らされる。




(1)の改作に関しては、童話に、死体愛好家の王子を登場させることに抵抗があったのだろうと推測出来る。
原作では、聞くところでは、王子は白雪姫が生き返ることを残念がるらしい
しかし改作において王子は、眠った白雪姫を連れ帰ろうとはするが、目覚めた時喜んでいる
変態の王子を出したくない・死体愛好という概念を提示したくない、などの意図があったに違いない。



しかしながら(2)の年齢設定を見るところ、王子はロリコンであるに違いない。

改作で

・王子の年齢が明記されていない点
・白雪姫が眠りに就いてから幾年もたっている点

から、王子と白雪姫の年齢差は問題にはならない、また、白雪姫もひとめで王子に恋をし、結婚の申し出まで受け容れるのだからそれ相応の年齢・精神年齢であったのかもしれないという読みも可能である。

とはいえやはり、その幾年を経るうえで白雪姫が成長したとは明記されていない。

以上、(1)、(2)から、王子が所謂「変態」であることをもみ消してはいないが、隠そうとはしているということができるのではないか。
つまり、“教育上あまりよろしくないこと”を隠そうとする意図があると見ることができるのではないか。



しかしその一方で(3)では、残酷な処罰を包み隠さず紹介している。

一つの可能性として、大きな偏見を持って言うと、英語圏においては、「アメリカンジョーク」のような残酷さは受け容れられやすい、と考えることができないでもないように思える。

また、ここで残酷な「非教育的」な事柄を入れることで、これまで隠してきた原文の「非教育的」な解釈の可能性を助けるという、「原文志向」の表れと取ることも出来る。


以上、(1)(2)(3)を踏まえて、この改作では、訳者の「原文を大切にしたいが、非教育的な概念を落とさなければならない」という葛藤が見て取れるのではないかと考える。

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