10冊目:日本語の作文技術 本田勝一著 朝日文庫
まとめ
0.外国語としての日本語
日ごろから日本語を使っている私たちは、日本語を使うことに慣れ、使えることが当たり前になっている。文章を書くときも、私たちは日本語を無意識に使っている。しかし文章を書くことに際しては、日本語でも客体としてはっきり意識して使わなければならない。つまり、文法や規則などの決まりに則って書かなければならない。それはまさに、外国語で文章を書くときに私たちが気をつけていることである。
以下に、これから特に気を付けていきたい二点を書く。
1.思想のまとまりを意識する
文章は、いくつかの「章」で構成される。その「章」を構成するまとまった単位として、「段落」と「文」が挙げられる。このうち「文」は、さらに句点で区切られることもある。この「まとまり」は一体なにか。それは、意味・思想の「まとまり」である、と言う事ができる。分かりやすい文章を書くには、これらの「まとまり」を理解することが重要である。これらのまとまりは、改行や句読点で示される。
1.1改行
改行をすることは、段落を作ることである。段落は、まとまった一つの思想・意見を表す。つまりそれは、場合によっては長いことも短いこともある。特にその「まとまり」を意識せず“何となく”改行することは、一つの思想を分断することに等しい。
1.2マル
マルは、ある文が終わったことを示す。文は、一つの思想を表す。これを「まとめた物」が「段落」になる。
また日本語には、終止形と連体形の形が等しいものが多い。もしマルがなければそれらの区別ができなくなる。些細なことではあるが、重要なことである。
1.3テン
テンは、思想の最小単位を表す。したがって、大きく二つの原則こそあれ、それを逸脱しなければ打ち方は自由である。その原則は以下のとおりである。
原則①:長い修飾語――長い修飾語(修飾句)が二つ以上ある時、その境界に打つ。
原則②:逆順――語順が逆順の場合打つ。
2.具体的に書く
脚色を加えずに書く、と言い換えることもできる。『これからレポート・卒論を書く若者のために』(酒井聡樹)の内容に照らし合わせれば、「頭を冷やして書く」(p135)ということもできると思う。事実を事実のまま、それ以上でも以下でもなくそのまま書くということは難しい。以下に二点、気を付けるべきと感じた事を書く。
2.1笑っている文章
自分が書くことは、自分にとってはとても面白い。面白いとしか思ってないから、面白い面にだけ注目して書く。さらに、大げさな表現で誇張することもある。そうすると、物事の本質をとらえることができずに、独りよがりな文章になってしまう。そんな文章を他人に読んで頂いていたと思うと、非常に申し訳なく、また恥ずかしく感じる。
2.2材料不足の文章
やっつけ仕事になると、調べた少しの情報を希釈して“レポート”にすることがある。「材料が足りないと、どうしても筆先でカバーしようと」しているのである。
感想:日本人だから日本語くらい書ける。なんて気楽に思っていたら、色んなミスを案外見落としてきていた。これからは、自分の日本語をしっかり意識して、より良い文章が書けるように努めたい。
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