1. 構成
1.1. 小説
RIP SLYMEの5人がリレー形式で書く官能(爆)小説、『届かぬ思い』。順番は「SU→ILMARI→RYO-Z→PES→FUMIYA→SU」で、それぞれが思い思いのエロを展開→次の人にキラーパス→完璧すぎるトラップという繰り返しで成り立っている。RIP SLYMEは、歌詞の作成においても、ある程度の共通するテーマを決めてからは完全に個人作業になるようだが、その個人作業が行われる過程をここに垣間見ることが出来るように思える。
1.2. エロトーク
ビデオを借りる、などというエロトピックに関して、RIP SLYMEが語り合うところが収録されている。
2. 内容
所謂21禁のラベルを張られそうなトピックで、中学生にでも受けそうな“ばからしさ”を展開している。「み、見られたっ! 私のいわば十八番、ビデ&ムーブを見られたっ!・・・。 殺すしかない。ビデ&ムーブを見た人物は、いかなる相手であろうと消してしまわなければならない。輝夫! 何てことを・・・・・・。」などは、ばからしいというよりむしろバカである。(p.91) しかしそれでいて、話はしっかりまとまっている。 RIP の曲を一つ聞いているかのような心地で最後まですらすら読める一冊であると思う。遊び心満載の、RIP SLYMEを知るのには、よいきっかけとなったのではないか。
3. 日本におけるエロの問題点~まえがき・あとがきより~
まえがき・あとがきにおいてSUさんは、日本のエロ問題にいくつか触れている。それは、「エビバディ情報通(p.96)」であるという点である。コンビニで簡単にエロが手に入る。「体外受精」による「精子のブランド化」、それに伴い「エロは進化し、エロは退化する」(p.96) あとがきではこの、「進化したエロ」についての言及がされている。一方、「退化したエロ」に対しては、まえがきでこう述べている。「すでにエロを卒業したと感じている人」には、その世界観を見直すいいきっかけとなるはずである。」(p.17) 「エロに背を向けることは非常に難し」(p.188)い世の中で、エロがいかにしてあるべきかを伝えるのが、この本の真の目的ではないだろうか。
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