1. マナーとは
マナーとは、相手を思いやる心・お互いに気持ちよく過ごす知恵である。これは食に関しても同じであり、テーブルマナーなどは、他人と「食を楽しく共有する」為のルールである。(p.17)
1.1 両手を机に出す
左手を机の上に出すという行為はかつて「手に武器を持っていないという証明」であった。この名残で「相手に警戒や緊張をさせない」作法として今に残っている。(p.23-24)
1.2 顔を上げる
複数での食事では“他人との時間を共有するため”、一人の時は“気持ちを落とさないようにするため”に顔を上げることが大切である。特に一人の時に関しては、「食事の時間は、生命維持につながるエネルギー源を取り入れる時間」であり、「気持ちによって、栄養の吸収力は変わる」ため、顔を上げることはエネルギーの吸収の効率化にも一役買っている。(p.27)
2.いただきます
「いただきます」は元来、料理提供者への感謝と言うよりは、命にたいしての感謝である。現代の日本人は、命への感謝を忘れかけているのではないか。(p.68-69)
2.1 命に触れる
近年、栄養を取るために野菜ジュースや果物のジュースを買う人が増えている。しかし、「切ってはじめて広がる食材の香りや、シャリシャリとした食感、飲み込む瞬間ののどごし、形がそれぞれちがうなど、桃という“存在”を覚えることは、最初から液状になって形を保っていないジュースではできない」。(p.89-91) この、「桃という“存在”を覚えること」が、いただきますの精神につながるのではないか。
2.2 限定商品
近年、限定という言葉に、つい飛びついてしまう人が増えている。しかし、「一月限定」・「二月限定」・「夏・秋限定」など、実は「“限定”はたくさん」ある。その点、「かぎられた人生で出会う一食一食が、それこそ、かけがえのない“限定”食なの」ではないか。(p.116-118) 「いたるところに食がある」現代、ありがたみを覚える対象がずれているのではないか。
3. 食の自立
3.1 情報を食べる
食に関する情報が溢れている現代、情報を頼りに食を求めるのは当然かもしれないが、情報のみを頼りに食を求める姿は、「料理を食べるのではなく、まるで“情報を食べている”かのよう」である。(p.120)
3.2 料理人は食材バイヤーではない
産地直送・有機野菜など、よい材料を使っているところに行きたがるのは当然ではあるが、料理人はあくまで「料理のプロ」であって、食材探しのプロではない。(p.154)
3.3 毎日の食を見直してみる
カタカナの栄養素(コエンザイム等)につられるんじゃなくて、ちゃんとバランスを考えた食事にする・食事の時間を決め、リズムを作る・「個食・孤食」を避ける、などを見直してみる。「食べ方は生き方の鏡」であるから、食を見直すことは生き方を見直すことにつながる。
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