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広島大学教育学部卒業。 読書・昼寝・ゲーム・カードゲームなどを趣味とする。 RIP SLYMEが好き。宮部みゆき・東野圭吾・星新一・夏目漱石・小川洋子が好き。 最近数学・宇宙論・翻訳などに興味がある。 アニメ・声優オタ

2021年8月21日土曜日

他クラスの生徒が羨む! 学級文庫にしたい本たち

 本ブログが、読書録をつけるために作られたものであることをガッツリ忘れておりました。そしてふと、学級文庫用に本を買ったのですが、これの備忘録をつけたいという気持ちが出てきたので、その気持ちに素直に従うことにします。


学級文庫にしたい本 一覧(50音)はこちらから


0.その前に

 学校で用意される学級文庫以外に、担任の好みで準備する「The 学級文庫」もあるべき。ということで、いろんな本を買って揃えておりました。しかし、同じ本がずっとあり続けるのも面白くないから定期的に交換したい→家に持って帰るのは面倒(というか同じ本もある)→捨てるのもなんか勿体無い→そうだ生徒に持って帰らせよう。ということで、学年末に必ず、「欲しい本があったら、1人一冊持って帰れ。」としている。つまり、今までどんな本があったか、特に、生徒に人気があった本についてはデータがなくなる(持って帰られる)ので、補充する時に「あの本良かったなー」が難しい。そうだどっかにデータを残したい。タイトルと簡単な紹介があれば良いのではないか。ということで、ブログにまとめようと思い至った。



1.「人は見た目が9割」竹内一郎

 だいぶ古いが、言ってることは正しい(気がする)。誤解を生みそうなタイトルではあるが、要は「マナー」なんかもそういう見た目の一部であるとか、「ノンバーバルコミュニケーション」のこととかも重要なのだ、という内容。メラビアン(マレービアン)の法則について言及しており、マンガにおける表情などを例に、わかりやすく“見た目”の大切さを説く一冊。



2.「この算数、できる?」小学校の算数を楽しむ会

 三角形の定義や、図形を構成するパーツの名前(辺や頂点)など、まず簡単なわかりやすい説明があってから、問題を解くという流れで展開される。説明文も問題文もわかりやすいが、少し捻ってあって、つい考えてしまうような問題や、算数(数学)の本質に迫るような問題もある。こういう発想は、ぜひ参考にしたい。例えば、「三角形の紙を2つに切って、次の形を作りましょう。(1)2つの三角形 (2)三角形と四角形」答えは一通りではく、三角形とは、四角形とは、という本質に迫るとてもいい問題だと思いました。(小並感)



3.「ココロの本音がよくわかる 魔法の心理テスト」中嶋真澄

 いわゆる心理テスト。小中学生はこういうの好きよね。高校・大学・社会人になってからも、好きな人は好き。真面目に自己分析とかではなく、話題の種として超優秀。科学的なことは置いておいて、話題として楽しむことができるのが、心理テストのいいところ。正直、心理テストならなんでもいい。タイトルがキャッチーであればベター。(こういう、タイトルなどでつい手に取ってみたくなるような言葉を操れるって大事。本書は、「魔法」「心理テスト」という魅力的なワードの組み合わせなのが良い。心理学的な要素は、タイトルに全て入っている。)



4.「大人の時間はなぜ短いのか」 一川誠

 テセウスの船とか、ラプラスの悪魔とか、そういうパラドクス的なことを考えるのが好きな生徒って、10〜20%くらいいるのではないでしょうか(40人学級で4〜8人くらい)。そういう人って、「大人になるにつれて時間が早くなるって不思議」ということを考えたことが絶対にあります。。。いや、9割以上はあります。本書は、人生の総時間との相対、代謝との関係、錯覚、など、さまざまな角度からのアプローチがあり、生徒も納得しそうな内容になっております。また、そもそも時間とは何かということにも触れており、哲学者アウグスティヌスの言葉「だれもわたしに問わなければ、わたしは知っている。しかし、だれか問うものに説明しようとすると、わたしは知らないのである」(本書の孫引き)についての言及もあります。知的探究心を満たしうる本であるので、毎年置いても誰かが持っていくんじゃないかなとか思ったり。


5.「正しいのはどっち?語源の日本語帳」岩淵匡 監修

 日本語に関する本は、言語学への入り口。「日本人の知らない日本語」とか、「声に出して読みたい日本語」とか、自国の言語についてより深く考察をすることで、「言語」というものへの見方を変えることができるのではないかと、わたしは思っています。そこで、何かと便利な「語源」に意識を向けるというのは、生徒にとっても有意なことである、という考えから本書を選びました。語源(成り立ち)を調べていくと、英語でも日本語でも、語句への理解度や覚えやすさがグンと上がりますよね。私自身、語源を調べるのが好きなので、ついつい手に取ってしまった一冊です。


6.「サービスの天才たち」 野地秩嘉

 人に好かれたら勝ち、みたいなサービス業(偏見)ですが、本書では、さまざまな職業の一流の人たちについての話が紹介されています。圧倒的な専門知識・技能だったり、顧客を喜ばせるために必要な立ち居振る舞いや意識だったりが織り込まれたエピソード集です。さながら、プロフェッショナル◯◯の流儀、的な感じでしょうか。職業についての本ではありますが、日頃から意識しなければならない他人との付き合い方のヒントにもなるのではないか、という考えで、教室においてみたいと思った本です。


7.「ヘトヘトに疲れる 嫌な気持ちがなくなる本」石原加受子

 心理カウンセラーとマナー講師は、私の中では同じくらいに眉に唾をつけて構えるべき対象です。しかし、心のモヤモヤを払拭すべく、藁にもすがるような思いでいる生徒が存在することも確かです。そんな生徒が、人に相談できればそれはそれでいいのですが、そうじゃない時にこういうところに助けのを求めることがあっても良いのではないかと思って、必ず2、3冊は、こういう「カウンセリング系」の本をおいています。内容は正直あんまり見てないのですが、こういう本は主に、悩んでいる女子のために書かれているという印象です。こういう本は、中身を見ないまま適当においておいてもいい本だと思っていますが、中には、「自分中心に生きればいい!」なんて書いてあったりして(本書もそうですが)、一瞬どきっとすることもあります。ただ、この本を読もうが読むまいが、自己中になろうが逃げようが、問題が起こる時は起こるし、そうでない時はそうでないのだと私は思っておりますし、そういう悪影響(?)よりも注目すべきは、読んで心が救われる人がいることではないかと思っております。(というか、自己中になって困るようなやんちゃ系の生徒は、こんな本を読みません。。。多分。)



8.「難しい数式は全くわかりませんが、量子力学を教えてください!」ヨビノリたくみ

 人気数学系YouTuberのヨビノリさんによる著書です。確かにわかりやすい。というか、本当にわかりやすい。小学生でも理解できそう。ですが、対話形式で数式をほとんど使わないので、物足りない生徒には物足りないかもしれない(そんなやつには「量子力学入門」を買い与える)。とにかく、数式を言語化して、本質を理解することを目的に書かれた書籍です。チープな例をしてみると、「関数というのは、片方がの数値が変化すれば、もう片方も変化するという関係を表したものだよ。パンチの速さが変われば、衝撃が変わる、みたいな!」的な。わかりやすいというのは、あくまで大人にとって。子供が読んだ時、果たしてどこまで理解できるか(もはや日本語の問題)。本書だけでなく、「量子論のすべてがわかる本」(コンビニで売ってた!)や、「量子力学入門」などと合わせておいておけば、量子力学への理解がより深まるのではないでしょうか。



9.「難しい数式は全くわかりませんが、相対性理論を教えてください!」ヨビノリたくみ

 難しい数式は…シリーズはいくつかありますが、他には、微分積分、統計などがあるようです。一つ前にも書いたのですが、本シリーズは本当にわかりやすい(私はこの2冊しか読んだことないけど)。入門書としては、本当に良いと思います。ヨビノリさんが人気Youtuberであることも大きい。何を言うか、より、誰が言うかがポイントだ、とよく言われているやつです。


10.「鋼のメンタル」百田尚樹

 SNS時代、生徒同士の関わりも変化してきました。本書はちょっと古いのですが、それを感じさせない内容です(メンタルについてだから、そりゃそうだけども)。心理カウンセラーの本よりも、こういう本の方が私は好きです。だからおいてあります。というか、心理カウンセラー系は女子用、こっちは男子用、という感覚です。


ex.終わりに

 私は、学級文庫が好きです。本が好きです。教室には、学級文庫があるべきだと思っています。しかし、学校が用意するやつって、総じて微妙なやつだったり、自分の趣味に合わないものだったり、クラス間の違いもなかったり…要するに、楽しくない(私が)。だから自分で用意しなければ。あまりラディカルなことができない生徒会とか図書担当の先生が選んでくださった本も良いですが、自分の趣味満載の本もよめ!という気持ちです。

 最初は、自宅の本棚から適当に持っていっていましたが、数に限りがあります。そこで、一冊100円とかの本を置いたり、自分で買って読み終わった本を置いたりと、好き勝手やるようになりました。基本的には、自分が読んだものを置きたい、と思っていたのですが、生徒に「どうだった?」と聞けば読まなくても良いじゃないかとか思ったり。初めてからまだ5年ほどしかたっておりませんが、なんだかんだ楽しいので、いろんな先生におすすめしたい方法です。


他クラスの生徒が羨む! 学級文庫にしたい本たち その2

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