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広島大学教育学部卒業。 読書・昼寝・ゲーム・カードゲームなどを趣味とする。 RIP SLYMEが好き。宮部みゆき・東野圭吾・星新一・夏目漱石・小川洋子が好き。 最近数学・宇宙論・翻訳などに興味がある。 アニメ・声優オタ

2011年6月29日水曜日

H23 広島県教育資料 4/7(第三章)2/2

~個に応じた指導の充実~

基礎的な知識技能や、思考判断力の確実な習得には、それぞれの個性を理解した上での個々に対応した指導方を工夫することが必要。そのためには学校ぐるみの取り組みが大切。

1. 学習指導要領における個に応じた指導について

H15における指導要領一部改正で、個々に応じた指導が取り上げられた。小学校においては習熟度別の指導、中学校においては補充的・発展的な学習を取り入れることを追加。

H20の小中指導要領においても、「個性を活かす教育も充実させる」という個人指導に関する記述もある。

2. 個に応じた指導の充実

生徒の能力・適正・興味・関心・性格・知識などは個々によって違う。この特性を理解し、それに適した指導方法を考え、実施することが教師には求められる。しかし、学校目標は一つである。したがって、個々に適した指導の工夫が必要である。

3. 指導方法の工夫・改善

指導法は、各学校の状況に合わせて、それぞれの教員が工夫し、実践していくものである。具体的には、「個別学習・グループ学習・繰り返し・補充的学習・発展的学習」など、生徒の学習状況に応じたものが必要である。また、生徒の興味関心に応じた課題学習を取り入れるなどの柔軟な対応も必要である。

【本県の状況】

H22の、基礎基本定着度調査における「自分に合った学習法を知っているか」という質問にたいして、小中の各強化において肯定的な回答をした生徒は6割強である。

4. 指導体制の工夫・改善

各学校は、人員や施設・設備などの状況に応じて最も効率的な指導体制を構成し、組織として最も効率的に動くようにするのが大切。TTなどの学習の形によっては、教師が協力することで力を発揮するものもある。こうした連携を円滑にするため、全教員が共通の目的をもって行動しなければいけない。

~各学校の研究推進と研究公開~

課題に応じた教育目標の設定をし、それを達成するために研究を進めている。

1. 各学校における研究

研究は、子どもの課題の明確化・その解決策の考案が目的である。それは、授業や日常を振り返ることに他ならない。こうした振り返りを通して教師自身の指導力を向上させることが、生徒の成長につながる。

計画的に研究をすすめるには、明確なゴールを設定することが大切である。また、特に研究授業などでは、研究の全体像を全教員が共有し、組織的に取り組むことも大切である。

2. マネジメントサイクルに基づく研究

研究によっては、一年で終えるものや数年に渡るものなど様々である。どの研究においても、必要に応じて適宜評価・改善(PDCA)を繰り返していくことが大切である。

3. 研究テーマと推進体制

3.1. 研究テーマの要件

研究テーマは、「時代を反映し、先の指導に役立つ物」「学校の特色などに関連させていける物」「教科・学年を超えて取り組める物」「具体的な成果などが検証できるもの」である必要がある。

3.2. 研究を推進する体制の工夫

研究部会の役割を、「テーマ別」に適材適所振り分ける、といったような推進体制の整備が必要。その場合、各部の情報が全体に共有されるような組織を作ることが大切。

4. 研究を充実させるための視点

4.1. 授業研究の充実

研究の柱は授業研究である。各学校の課題解決を達成すべく、授業研究をより効果的に行えるよう組織的に取り組む必要がある。その時リーダーは、授業研究のあり方や参加者のルールなどを決めるなどして研究の質の向上に努める。その際、以下の点に留意する。

○整合性・独創性はあるか ○他の教科・学年、カリキュラムとの関連性はあるか

○研究の狙いに即しているか ○事前・事後研修との関連はあるか

○課題意識を持って授業を見ているか ○協議への積極的な参加を促す工夫はあるか

4.2. 中高における研究協議会の活性化

教科担任制の学校においては、教員の専門性が協議会の深化に影響を与える。ただし、他教科の協議に関しても、「発言の仕方」「一般的な指導法の提示」など、共通して取り組める課題もあるはずである。また教科が違うからこその様々な視点などもある。こうした点を考慮した上で協議会の活性化を図ることが、教師の授業力の向上につながる。

4.3. データを用いた実証的な校内研修の実施

調査や評価の結果を研究に生かしきれていない学校もある。研究のリーダーが指揮をとり、全教員参加の下でデータの読み解きを実施し、「取り組みと結果のズレ」などの分析を行うことが大切である。また、授業前後での課題状況の変化などは、授業改善にも役立つ。

4.4. 連携の推進

外部講師や他校と連携をとることで、「専門的な指導・評価」や「様々な方法・視点からの分析・研究」が可能になる。教務・研究主任同士のコネを活かし、「情報交換」や「相互評価」などによる、より効率的な研究が可能になるよう環境の整備をしていく必要がある。また、共通のテーマを他校と共同研究することも可能である。さらには、地域保護者も交えての研究にも期待が寄せられている。

5. 研究公開による各学校の研究の評価

研究の公開は、地域に開かれた信頼される学校づくりという役割の他に、「他校の取り組みの評価」という役割がある。それによって学校間でお互いを高めあいつつ、各学校においては自校の研究を充実させていくことが大切である。研究の公開時期や公開内容は、目的に応じて効果的に行えるよう工夫が必要。

6. 公開の位置づけと、効果的・効率的に行う工夫の例

6.1. PDCA

研究公開は、Cに当たる。

6.2. 効果的に行うために

まずは、研究の成果・課題を明確にしておく必要がある。公開段階においては、公開の目的、「誰に、どんな内容を公開するか」や、「普及型・提案型・報告型のいずれの公開タイプか」などを明確にする必要がある。

6.3. 効率的に行うために

研究内容のまとめを用いるなどの、研究紀要の簡略化や、人が参加しやすい公開日程・公開方法の工夫が求められる。

~教育研究団体の活動~

教育実践の深化と理論化を積極的に行うには、教研団等における自主研修の活性化が必要。

1. 教育委員会が支援する教育研究団体

本件には、広島県小学校教育研究会・〃中学校〃・〃高校〃・〃特別支援〃の四つの研究団体がある。これらの相互の連携のため、「広島県学校教育研究団体連絡協議会」なるものが組織されている。これらは、教科・領域別に部会が分けられている。

2. 教育研究団体の活動内容

2.1. 小中学校研究会

小中の研究会では、実践的な研究に力をいれている。部会ごとに公開研究会を開くことで成果の公開・共有を図る。

2.2. 高校・特支研究会

高校においては、「仮説・検証型」のスタイルをとっている。また、全県を対象にした研究会・部会などで、研究の公開を実施している。特支においては、テーマ別に研究をすすめ、研究会において成果を発表している。年末にはこれらの合同研究会が開催され、一年間の研究内容・成果の発表を行なっている。

3. 今後の活動に期待されるもの

研究へのPDCAの導入を徹底する必要がある。Pにおいては参加人数の指標だけでなく、子ども・教師の変化という研究に関わる指標も設定しなければならない。また、教材開発・指導法の提案などにおいて優れた研究を紹介し、研究成果の普及に努める必要がある。

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