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広島大学教育学部卒業。 読書・昼寝・ゲーム・カードゲームなどを趣味とする。 RIP SLYMEが好き。宮部みゆき・東野圭吾・星新一・夏目漱石・小川洋子が好き。 最近数学・宇宙論・翻訳などに興味がある。 アニメ・声優オタ

2011年6月28日火曜日

H23 広島県教育資料 3/7(第二章)3/3

~教職員の研修~

教員の活動は子どもの人格形成に影響を与えるため、教師には高度な資質能力が求められる。また、特色ある学校づくりのために、校長をはじめとする教師一人ひとりが能力を最大限に発揮し、組織的・一体的な教育活動が求められる。よって、教員は日々研修に努め、自己の能力の向上を図ることが期待される。

1. 研修と法令

自主的な日々の研修に加え、任命権者による職務としての研修も法律に定められている。

1.1. 地方公務員として

「教員には、その勤務能力の発揮・増進のため、任命権者によって研修の機会があたえられる。」【地方公務員法】とあり、県教委は研修を企画・実施している。

1.2. 教育公務員の特例

教員の自発・創造性に期待する点や、生徒とのかかわりにおいて適切な能力の発揮が求められる点等、一般公務員とは異なっている。「自己の使命を自覚し、研究・修養に励まなければいけない。この使命と職責の重要性に鑑み、身分の尊重・待遇の適正・研修の充実が図られるべき」【教育基本法】

特に、教諭・養護教諭などは、教育公務員特例法により特例が定められている。

【教育公務員特例法】

[研修]

○第21条 ~絶えず研究と修養に努めなければならない~

2. 任命権者は、施設を含め、どのように研修を行うか計画を立て、実施する。

(研修は職責遂行に不可欠であり、教員には継続的・主体的な研修努力義務がある)

○第22条 ~教育公務員には研修の機会が与えられる~

2. 授業に支障がない限り研修ができる

(授業を含めた校務運営上支障がなく、「職専免」にふさわしい研修に参加できる)

3. 現職のまま、長期研修を受けることができる

[初任者研修]

23条 ~任命権者は、教員が最初の一年の職務遂行に必要な研修を実施する~

2. 任命権者は、初任者の学校の「副校長、教頭、主幹・指導教諭、教諭、講師」から指導教員を選ぶ。

3. 指導教員は、必要事項に関する助言を行う。

(初任者研修は、教職への自覚・円滑な教育活動展開を目的としている。よって、県の実施する初任者研修を受けることは義務である。学校全体で初任者を育てる体制も必要。)

[10年経験者研修]H15より導入

24条 ~任命権者は、10年間教師を続けた者に対しても研修を行う~

2. 10年研修を行うに当たっては、その能力・適性の評価に基づいた計画を作成する。

(背景:児童の教育には、これまで以上の指導力を要する。そこで、指導力に加えて専門性の向上も図るべく、中堅段階に進む時期における研修で資質能力の向上が求められる。)

本県では校外・校内研修を実施する。研修終了時には評価を行い、後の研修に役立てる。

2. 研修の分類と服務の取り扱いなどについて

三種類に分けられる。

2.1. 職務としての研修

初心者研修・民間企業等研修・経験者研修・各種派遣研修・推薦研修・教育センター研修・所属長が命じる校内研修などがある。これらは参加自体が義務であり、それは【地方公務員法39・教育公務員特例法2122】に定められる。

2.2. 職務専念義務を免除されての研修

所属長の承認を受けて参加する研修が挙げられる。職専免を受けての研修であり、【職専免条例2・教育公務員特例22】に定められる。

2.3. 自主的な研修

勤務時間外に行われるものを指す。【教育公務員特例21】などに定められる。

なお、教育研究集会への参加は「条例で定める以外の活動への参加」となり、法律違反となる。したがってこれは、年次有給休暇で対応すべきである。

3. 教職員研修の充実について

研究授業などの校内研修の充実による、授業力・指導力の向上、人材育成が求められる。

3.1. 平成23年度教職員研修体系

求められる教師像の実現によって、学校教育への県民の満足度を向上させることが目的。そのための研修には、恒常的に求められる研修と、段階的に求められる研修がある。

3.1.1. 恒常的に求められる研修

校内研修・自発的研修が挙げられる。

3.1.2. 段階的に求められる研修

「基礎的資質・指導力の育成」「課題解決力の向上」「総合的力量の向上」という三段階に分けられる。初段階では、初任者研修や10年経験者研修などがある。段階を経るに連れ、「管理職・マネジメント・教科指導リーダー」を育成するための研修が採用され、「主任の育成」や、マネジメント・教科指導リーダーの初歩的な資質の育成がなされる。最終的には「校長研修」など、それぞれに特化した研修が組まれる。さらには、「校外における研修」による様々な視点の育成を経て、目標となる教師像の実現に努める。

3.2. 各研修の有機的なつながり

「研究授業」はもとより、校務分掌や生徒指導に関する「校内研修」を軸とする。その研修を活かして「校外研修」や「自主的な研修」をより有意義なものとし、その経験をさらに校内研修に活かす。こうしたサイクルにより、教育研究団体などへの支援(自主研修)、教職員経験者研修の企画・実施、研修評価の研究(校外研修)といった幅広い活動を自校の教育に役立てることができる。また、校内研修に「校外研修報告会」を設置することで、教職員間での経験の共有ができる。

~校種間の連携~

各学校段階において、それぞれの取組・役割がある。今後は、生徒の発達段階・各学校段階の役割を理解し、より連続性のある教育が求められる。特に、学力・生徒指導に関しては校種間の連携により一貫したものにする必要がある。

1. 幼児教育と小学校教育の連携

幼稚園教育要項には、「小学校以降の生活・学習につながるように想像力や生活態度の基礎を培う」とある。幼小の連携を図る上で注意すべき点は、教師と子どもの関わり方の違いを理解し、お互いの教育・保育を理解することにある。

1.1. 連携における幼稚園側の配慮

幼稚園では、小学校における「新たな生活」を見据えた保育が必要である。

1.2. 連携における小学校側の配慮

小学校では、幼児がどのように生活や学習の土壌を築くのかを理解し、遊び中心の教育活動から強化学習中心の教育活動への円滑な接続をすることが大切。

1.3. 注意点

効率以外にも、私立の学校・幼稚園・保育所などがあることも念頭に置かなければならない。また、円滑な接続とは、あくまでも幼小の相互理解であり、小学校教育の先取りではない。それぞれの学校・幼稚園における具体的な取り組みを通して、生徒がどう変わるか・どう変わったかに注意することも大切である。

2. 小中連携による教育

2.1. 小中連携の必要性

中一での問題駆動の件数が、小6のそれより大幅に増えるという事から、一貫した指導体制による学力・豊かな心の育成に励むことが求められる。

2.2. 小中連携による教育の進め方

各学校・地域の実態を踏まえた、段階的な連携が必要。(段階的?)

2.2.1. 段階1:相互理解

授業参観や地域行事・情報交換・他校種の行事への参加を通して、お互いの指導法や状況を知るとともに、生徒同士の相互理解を図る。

2.2.2. 段階2:相互交流

合同研修会・地域への学校公開による教師間・教師地域間の交流や、合同部活動・合同行事による生徒間・生徒地域間の交流を図る。

2.2.3. 段階3:相互連携

他校種の教師による指導・生徒指導体制の確立・地域の方の教育(授業)参加などにより、教師間・学校地域間の連携体制や一貫した指導体制を確立し、合同活動・行事をより効率よく行うようにする。こうした、教師・生徒・地域の連携が求められる。

3. 中高連携による教育

この連携により、お互いの指導法・学習内容を把握し、その改善につなげることができる。

【連携型中高一貫教育校の主な取り組み例】(概要)

○授業における実践例とその成果

中三・光一を中心に、教員の入れ替え及びティーム・ティーチングを展開。その結果、高校生に対する中学校の学習内容の指導・中学校の学習内容や生徒の実態を把握することによる高校の授業改善などが可能になった。

○学校行事における実践例と成果

学校行事・生徒会・部活における合同活動を実施。その結果、高校生は中学生の模範になろうとし、責任感と積極性の高揚が見られた。さらには、6年間の部活指導が可能になった。

○教員研修における実践例と成果

強化部会を共同に設置し、研修・情報交換・授業研究を実施。その結果、つなぎ教材・6年間を通した指導案の作成につながったり、小学校・地域との連携につながったりした。

4. 小中高の12年間の連携

本件では現在、12年間の連携に取り組む活動も見られる。各地域が目的を持ち、組織的・統計的に取り組むことが大切である。

5. 高大連携による教育

5.1. 高大連携の意義

大学進学の目的の明確化による自主的な進路選択や、学問への興味関心の向上による特定の分野への高い能力と意欲の育成、またはそうした生徒の育成が狙いである。

5.2. 高大連携の取り組み

5.2.1. 公開授業・公開講座

大学生の授業の一部を公開したり、高校生向けに特別な講座を設けたりした。22大学からの授業・講座の提供があり、874人の県立高校生が参加した。

5.2.2. 出張講義

大学教員が高校で授業をする形で行われた。SPP(サイエンス・パートナーシップ・プロジェクト事業)では、5校の学校において科学技術・理科数学に対する生徒の関心を高める目的で5つの講座が展開された。

5.2.3. 広島県科学オリンピック開催事業

大学において、物理・化学・生物・地学・数学の各分野で21回のセミナーを実施。143人の受講があった。

5.3. 今後の方向

連携の意義に述べたことに加え、連携の事前・事後の指導の充実が求められる。

6. 特別支援教育における連携

6.1. 個別の教育支援計画の作成と活用

障害のある生徒に関しては、学校・家庭・地域・医療・福祉・保険・労働等様々な帰還の協力のもと、乳幼児期から学校卒業後までの長期間における支援が必要。そのため学校は個別の教育計画をたて、諸機関の連携を円滑に行えるように体制を整える必要がある。ここでも、指導の一貫性を保つため、生徒の状況や支援内容の引継ぎなどを指導計画を用いて行うなど、諸学校の連携が必要である。

6.2. 障害のある人を支援するためのサポートファイル

本件では一貫した支援の推進のため、サポートファイルを作成した。このファイルは、保護者が子どもに関する情報を記録し、必要に応じて諸関連機関に提供するためのものである。学校はこのファイルを活用し、個別の指導計画の作成・関係機関との連携を行う。

6.3. 特支学校のセンター的機能

特支学校は、各学校の要請に応じて必要な助言・支援を行うなど、特支教育センターのような役割を果たす必要がある。この時、組織的に取り組めるように、各学校と特支学校の連携が求められる。各学校は、この助言や支援を教育支援計画に活かし、個々の障害にあった指導計画の作成・指導内容や方法の工夫を、組織的かつ計画的に行う必要がある。

6.4. 交流及び共同学習の推進

障害のある子もない子も一緒に活動・学習することで、相互のふれあいを通した人間性の育成・教科の狙いの達成が期待できる。この活動と学習の二点は、分かちがたいものとして捉えられるべきである。この連携は、それぞれの学校の教育課程に組み込まれる必要があり、学校の状況や障害の状況に応じた工夫や配慮が必要である。この時学校は十分に連携し、組織的・計画的に活動を実施することが大切である。

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