中学校3年になっても、
I am go to Tokyo.(誤)
とかやっちゃう生徒の多いこと。
まずは1年の時からしっかり訓練が必要ですが、進行形の後にまた再発することもあり、厄介です。
結局は、その都度教えていかないといけない。
そこで今回は、簡単な導入と訓練の方法について、備忘録をつけます。
1.日本語を通して
まずは以下の二つのグループの違いに着目させます。
Aグループ
私はケンタだ。
猫は可愛い。
鳥の羽は、繊細で美しい。
Bグループ
私は勉強する。
猫は早く走る。
鳥は羽を使って空を飛ぶ。
どんどん次のような例を出して、それぞれどちらのグループに入るかかんがえる。
・蛇は細長い
・ありは虫を運ぶ
生徒の気づきとしては、
「ですます調にすると、Aはです、Bはます。」
「蛇=細長い、という特徴か、あり→運ぶ、という動作か。」
「be動詞か一般動詞」
など挙がるが、文法用語は極力使わせず、それぞれの役割(特徴)に注目させ、「主語=補語」、「主語+動詞(+目的語)」であることに気づかせる。
この後、例文を生徒に作らせて、どんどんグループ分けをさせていく。(ペアやグループでも可)
2. 英語で
3語程度の英文で練習。
I am Ken.
I eat apples.など
ここで、英語には2種類、
「主語+be動詞」か、「主語+動詞」
が存在し、その2つしか存在しないことを伝える。そして、その二つを混合して使うことはできないこともつたえる。なぜなら、日本語で確認した通り、それぞれ役割が違うからである。
3. 進行形
進行形では、be動詞と一般動詞が混在するように見えるため、生徒が不思議に思う。
が、ing形はもはや動詞ではなく、形容詞的な役割であることを確認する。「〜している【状態】」と、訳すときに【状態】をつければ、日本語のですます調で「です」になるので、便利。
それ以前に、動詞には「現在形」と「過去形」の二つしかない。ingや過去分詞は動詞ではない、と伝えておくのも必要。
4. 何度もやる
持ち上がり学年ではない場合や、持ち上がりであっても忘れている生徒は多い。
英作文やテストでの誤答を受けて、必要な時にまたAグループBグループの区別を練習させる。このときは、例文に
「健太はいま走っている」
「指が骨折している」
「健太は指を骨折した」
「健太は英語をよく知っている」
などを混ぜ、【状態】なのか【動作】なのかどうかを判別させる。
5.終わりに
【状態】、【動作】と聞くと、状態動詞と動作動詞の区別が思い浮かぶが、ネイティブの広島人なら、広島弁を用いて解決できる。広島弁は天才なので、東京弁なんかでは「〜している」としか表現しないものを、
「〜しよる」(動作動詞にのみ適用可能)
と
「〜しとる」(動作、状態どちらにも適用可能だが、【状態】の意が強くなる。)
の二つで使い分ける。
例)
・あいつは本を読みよる。(目の前で本を読んでいる様がありありと伝わる)
・あいつは本を読んどる。(読書中、という状態。動作主が見えてなくてもいい。)
もっとわかりやすく意味の違いが現れるのは、
・寒くなりよる(だんだん寒くなってきている。)
・寒くなっとる(完了形。もう寒い。)
・死による(死にそうになっている)
・死んどる(死んでいる)
広島弁の「~しよる」と英語の"~ing"の類似から文法の授業を考える
と、言ったところで、最後脱線しましたが、以上私的備忘録です。