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広島大学教育学部卒業。 読書・昼寝・ゲーム・カードゲームなどを趣味とする。 RIP SLYMEが好き。宮部みゆき・東野圭吾・星新一・夏目漱石・小川洋子が好き。 最近数学・宇宙論・翻訳などに興味がある。 アニメ・声優オタ

2011年7月5日火曜日

H23 広島県教育資料 7/7(資料)2/3

~教職員に期待される役割と具体的な行動例~

0. はじめに

H18から「新たな総合計画」では、「元気な広島県」の源の「人づくり」が第一の柱として位置づけられている。また、H17には中教審から「新しい時代の義務教育を想像する」という答申が出され、そこには「尊敬され、信頼される教員の育成が不可欠」とした上で、教員養成や研修の改善・充実が提言されている。こうしたなか、これからの教育を支える人材の育成を目指し、「求められる教職員像」の発展形として以下の文書を作成した。

1. それぞれに求められる役割

教育県ひろしまの創造には、一人ひとりが責任を持って職務の遂行に当たることが不可欠。

1.1. 管理職

「校長」「教頭」「事務部長」など。説明責任を果たしつつ適切な学校経営を遂行し、信頼される学校づくりに励むとともに、教職員の育成にも力をいれる。

1.1.1. 校長

教育・学校経営にかんする高い識見をもち、学校経営の計画的な実施ができ、保護者に対する説明責任を果たす。また、教職員の監督を行うことができる。

1.1.2. 教頭

学校の目標達成の為に校長を補佐する。また、主幹・指導教諭を含む教員の育成をする。

1.1.3. 事務部長

校長の補佐と、事務職員・技術員の育成。

1.2. 主幹教諭・部主事

学校の経営方針に従った教職員を育成する一方、教職員からの意見をまとめて校長に提出することで、組織の協調性を高める。

1.3. 指導教諭

高い専門性をもち、教員の実践的指導・助言を行う。

1.4. 主任

教職員の模範として行動する。また、校務分掌の責任者として教員への指導・助言も行う。

1.5. 教諭・講師・養護教諭など

それぞれの職務の遂行と、お互いに連携した一体的な教育活動の展開に努める。

2. 本資料の活用例

2.1. 市町村教育委員会

所管の学校での「人材育成計画の作成」や「研修の企画・実施」の際に参照。

2.2. 管理職

自校の人材育成計画・研修に活かす。また、自校独自の項目を追加するなどして、積極的に教職員の育成に取り組む。

2.3. 部主事・主任

組織の円滑な運営に向け、各教職員が「期待される役割・行動」を達成するよう指導。

2.4. 指導教諭

所属校・近隣の学校における教職員への指導の際に参照

2.5. 主任

研修の実施などの際に参照。

2.6. 教職員

自らの資質向上に向け、本資料に基づく自己評価・課題の明確化を行う。研修などを通して改善する。

3. 具体的な行動例

前述の、8つの「求められる教職員像」:「倫理・豊かな人間性」「教育愛と使命感」「専門性」「柔軟性」、そして「確かな授業力」「豊かなコミュニケーション力」「新たなものに挑戦する意欲」「他の教員と連携する組織的職務遂行力」を、それぞれの職に当てはめたもの。例えば、「コミュニケーション力」に関しては、校長などの管理職には「教職員のコミュニケーション力の向上」があるが、その他の教員は「相手や場面に応じた対応」という項目になっている。

~緊急時の対応~

1. 学校における不審者への対応

チェックと対応の繰り返しを行う。

1.1. はじめの対応

不審者かどうか・立ち入りの正当な理由の有無をチェックする。正当な理由があれば学校内に案内し、そうでなければ退去を求める。

1.2. 事態発生時の対応

退去を求めても退去しない場合、危害を加えるおそれの有無をチェックする。あれば即隔離・通報する。なければもう一度退去を求め、それでも退去しない・再度侵入した場合、隔離・通報する。通報は、学校と110番にする。

1.3. さらなる対応

通報はしたが、隔離できず侵入を許してしまった場合、事態の周知・避難など、子どもの安全を守ることを優先する。負傷者などの有無を確認し、いれば緊急手当・救急車の要請など適宜行う。

1.4. 事後

生徒の心のケアや、再発防止策の考案などに取り組む。

2. 登下校時の緊急事態

被害者が出てから・被害が深刻化してからの対応にならないよう、不審者などの情報を得ることが必要である。そのためには、地域社会との協力体制の整備が望まれる。

2.1. 地域における取り組み

子どもの安全確保の意識を持ち、不審者を見かけたら110番通報する、けが人があれば緊急手当や119番通報をするなどが必要。また、パトロール・保護者同伴の登下校といった事故・事件を防止する手立てを取ることも大切である。

2.2. 学校における取り組み

不審者等の発見に際しては通報するのはもちろんであるが、できるだけ早く・確実に情報を集めるためには、地域・地域ボランティア・教育委員会・保護者との連携を強化することが大切である。また、自ら登下校の同伴・パトロールなどの実施をすることも必要である。万が一ことが起きてしまった場合は、情報の整理や提供・保護者や被害者の心のケア・再発防止の対応などの事後対応が求められる。

~いじめの問題への取り組みの徹底~

いじめは、早期の発見・対応が必要。学校ではいじめ問題の重要性を再認識し、さらなる徹底が求められる。

1. いじめについて

いじめの定義は、当該の生徒が精神的に苦痛を感じるものである。その場所は問わない。

2. いじめに関する認識

いじめへの対応に当たっては、次の点を認識しておくことが大切。

2.1. 絶対に許されないという認識

いかなる場合もいじめは認められてはならず、傍観することも許されない。

2.2. 生徒の立場からの認識

いじめはどこにでも存在しうるという認識から、生徒が発するどんな小さなサインも見逃してはいけない。

2.3. 家庭の役割の認識

愛情・精神的支え・信頼に基づく厳しさ等、人間関係の基盤を作ることが大切。また、善悪の判断を身につけさせることも必要である。

2.4. 学校の役割の認識

いじめは個人差に起因することが多い。個人の尊重や道徳の充実が求められる。

2.5. 地域家庭学校が一丸となる事の大切さの認識

それぞれが果たす役割を認識し、地域全体での取り組みが必要。

3. いじめの状況

3.1. 校種別発生状況

小中高の合計件数は、H6をピークに四分の一に減少。H17では、小・高におけるいじめは増えているが、中学校は大幅に減っており、全体で見ると減少している。また学年別に見ると中一がピークであるから、小学校における認識の形成と、中学校における指導が必要。

3.2. いじめの態様

「冷やかし・からかい」「脅し・暴力」の順に多く、進学に連れて、後者の件数が多くなる。

3.3. いじめ発見のきっかけとポイント

小学校では、「保護者・他の教員からの訴え」、進学に連れて、「本人からの訴え」が多くなる。どの校種においても、他の生徒からの訴えは少ない。こうしたことに気づくには、次のようないじめのサインを見逃さないことが大切。

○登下校時

・ひとりで朝早く登校してきたり、登下校の友達・手段が変化したりする。

・教職員とすれ違っても挨拶をせず、視線を合わせない。もしくは反対に近寄ってくる。

○教室における活動

・体調不良を訴える

・提出物や、授業道具の忘れ物が目立つ。

・教員より後に遅れてきたり、その遅れた理由を隠したりする。

・表情がくらい

・発言を強要されたり、発言するとはやし立てられたりする。

・決められた場所と違うところに座る・周囲から孤立する・特定の生徒と距離を取る

・課題を代わりにやらされる

○休憩時間など

・使い走りにされたり、たかられたりしている

・弁当もひとりで食べるし、普段もひとりですごしている

・暴力を受けたような傷・服の破れなどがある

・友人とふざけ合うときの表情がくらい

○帰宅時・ショートホームルームなど

・持ち物の紛失、展示作品へのらくがきがある

・学級日誌に記入しなくなる

・ひとりで逃げるようにして帰る

・教員から離れようとしない

○家庭

・家族との対話や食事を避け、部屋に閉じこもる。

・友人が変わる

・迷惑メールや無言電話が増えるなどあって、怯える

・八つ当たりがふえる

・帰りが遅かったり、理由を言わず外出をしたりする

・用もなく朝早く学校にいく。反対に行きたくないと言い出し、体調不良を訴える。

○服装・身体的特徴

・服が破れていたり、他人の服を着ていたりする

・食欲がなかったり、不眠を訴えたりする

・学習時間が減り、成績が落ちる

4. いじめ解決に向けて

4.1. 早期発見と早期対応

いじめはどこにでもあるという認識のもと、生徒が発するサインを見逃さないようにする。また相談室を充実し、生徒からの訴えを受け入れる体制をつくったり、万一いじめが発生した場合には学校全体で取り組む体制を整えたりする。さらに、保護者や関係機関との連携を通じて、さらなる早期発見・対応を可能にする。

4.2. いじめを許さない学校づくり

日頃から「いじめは非人道的行為である」という事を指導していることが大切。また、必要に応じた処罰も然るべき。教師のひとことがいじめに繋がる可能性も視野に入れつつ、一人ひとりの大切さを説き、継続的な指導を続けていく

4.3. 集団

見てみぬふりも悪であるとの指導のもと、生徒の正義感を育成する。ここでの教員の役割は、正義のモデルとしていじめの非道さを教えていく事である。

~携帯は本当に必要?~

携帯関係のトラブルに巻き込まれる生徒数の上昇など、様々な問題をはらんでいる。

1. 携帯に関わる3つの提案

1.1. 学校への持ち込みをやめる

高校生が一日に携帯に費やす時間は訳2時間。学習の妨げになるのは眼に見えている。

1.2. 家庭では、保護者が子どもの携帯使用状況に責任をもち、家庭でのルールを定める。

半数以上の携帯使用者が放任されている。子どもを取り巻く危険は、保護者の想像以上。

1.3. 学校では情報モラル教育を徹底しよう

前掲記事参照 http://ironustak.blogspot.com/2011/07/h236723.html 

2. 保護者が生徒の携帯活動を統制しよう

家庭のルールを定める際、モラル教育はもちろん、メールの確認などによる言論統制を行い、生徒の行動を監視しよう。ルールを守れない場合は使用停止などの措置をとろう。

3. 相談室の活用

ネットでのいじめ、ネットトラブルの相談はもとより、情報モラルやフィルタリングについて知りたい場合も気軽に相談できるところがある。活用しよう。

4. 携帯に縛られていないか

5分ルールなど、不要なルールは気にしないよう、学校や家庭での指導が必要。

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