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広島大学教育学部卒業。 読書・昼寝・ゲーム・カードゲームなどを趣味とする。 RIP SLYMEが好き。宮部みゆき・東野圭吾・星新一・夏目漱石・小川洋子が好き。 最近数学・宇宙論・翻訳などに興味がある。 アニメ・声優オタ

2011年7月13日水曜日

高校英語科学習指導要領 まとめ

高校英語科学習指導要領

外国語編

~第一章 総説~

1. 改訂の経緯と趣旨・内容

1.1. 改訂の経緯

1.1.1. 社会的背景

社会の変化・社会の知識基盤化に対応して、異文化交流や基礎知識の定着などの「生きる力」の育成を図ることが重要。それには、知徳体の総合的な教育・家庭学習の時間の確保・将来への展望・体力づくりが必要。

1.1.2. 答申

答申においては、以下の点の充実が提言された:「基本法を踏まえた生きる力の育成を充実」「基礎的な知識をもとにした思考判断表現」「確かな学力の確立に向けた授業数の確保と学習意欲・学習習慣の確保」「豊かなこころと健やかな体の育成」。

1.2. 改訂の趣旨

1.2.1. 改善の基本方針

読んだり聞いたりして得た知識を、書く話すを通して伝えるという4技能を使った指導の充実を図る。その際、文法事項はその活動をスムーズにするために指導する。また、内容についてこられない生徒に対応して繰り返しや中学校の内容を振り返る活動も取り入れる。

1.2.2. 改善の具体的事項

中学校との円滑な接続を考え、「英語基礎」では身近な場面を扱う。「コミュニケーションⅠ」では他教科との関連の中で興味関心を育成し、Ⅱ・Ⅲと進むに連れて内容的発展をさせる。これらをふまえ、「英語会話」・「英語表現Ⅰ・Ⅱ」ではプレゼンやディスカッションを充実させる。これらの教科における言語活動は、各教科の狙いを意識し、ITCの活用などの工夫が必要である。

1.2.3. 外国語科改訂の要点

外国語を通じて、「コミュニケーションへの意欲の向上」「言語活動の充実」「言語の適切な使用場面の習得」を達成することを目標としている。この目標に準じて、科目に関しても改善が行われた。コミュニケーションへの態度を養う「コミュニケーション英語」の設置、語彙の充実による言語活動の充実、「英語表現」などによる特定の場面(スピーチなど)における言語活動の充実を図っている。

1.3. 外国語科の目標

外国語を通じて「言語や文化に対する理解を深める」・「コミュニケーションへの態度を育成する」「情報や考えを適切に伝える」といったことを目標にしている。これらを個別に指導するのではなく、統合的に指導していくこと、さらには、4技能の統合も考えながら指導していくことが大切である。

1.3.1. 言語文化への理解

言語の意味や働きだけでなく、その背景となる文化への理解も重要である。

1.3.2. 態度の育成

特に国際化が進む中、自分の考えを伝えようとする気持ちが必要である。特に、英語によるコミュニケーションの需要は増えるであろう事から、非常に重要な項目であると言える。

1.3.3. 伝達能力

上記の二つの項目を統合的に見たものがこ伝達能力である。伝えるには、伝える手段としての言語知識と、伝えようとする意識・態度が必要である。

1.4. 外国語科の科目編成

コミュニケーション基礎・Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ、英語表現Ⅰ・Ⅱ、英語会話の順に2/3/4/4/2/4/2/

~第二章 外国語科の各科目~

1. コミュニケーション英語

「基礎・Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ」とある。

1.1. 基礎

基礎では高校で英語を学習するきっかけとなるよう、生徒の実態を踏まえた「中学校の内容・既習事項の繰り返し」などを行い、4技能の総合的な発達を狙う。このとき、言語を使う活動・体験を通して学ぶことが大切であり、そのために文法の指導・単語や連語、慣用句の指導なども必要である。

1.2. Ⅰ

基礎の内容を発展させたもの。加えて、「話の内容を理解し、伝える」という目的が加わる。読み聴きしたことを話したり書いたりする活動につなげる。この時、お互いに意見を述べ合うなどの相互的な活動も取り入れる必要がある。また、こうした活動を支えるための「適切な文章を書く力」「適切な発音」「意見と事実を見分ける力」などを養うことも大事である。

1.3. Ⅱ・Ⅲ

ⅡにおいてはⅠの発展的な内容。速読や先を予想しながら読むなどの技能の習得も行う。ⅢではⅠⅡを統合し、発展させたようなもの。

2. 英語表現Ⅰ・Ⅱ

多面的な視点で物事を見る力を培い、読み聴きしたことに関するスピーチを即興で行うなど、受け手を意識した話し方・書き方を身につける。読み聞きした内容をもとに話したり書いたりすることが大切。

3. 英語会話

身近な物事について話す力を培う。聞き返しや言い換え、ジェスチャー等、会話を円滑に行う技術を習得することが目的である。読む・書くといった活動につなげることも大切。

~第三章 各科目に共通する内容~

1.「言語使用場面」と「言語の働き」を大切にする。

1.1. 言語の使用場面

「特有の表現が使われる場面」「生徒の身近な暮らしに関わる場面」「情報を聞き出す場面」

1.1.1. 特有な場面

買い物・旅行・食事・電話・手紙やメール

1.1.2. 身近なこと

家庭での生活・学校での学習・地域や職場での活動など

1.1.3. 情報入手

「本・新聞・雑誌を読む」・「テレビや映画を見る」・「ネットを活用する」など

1.2. 言語の働き

「コミュニケーションを円滑にする」「気持ち・情報・考えや意図を伝える」「相手の行動を促す(依頼)」

1.2.1. コミュニケーションを円滑にする

相槌・聞き直す・繰り返す・言い換える・話題の発展や転換など

1.2.2. 伝える

褒める・感謝する・説明する・報告する・要約する・賛成または反対する・主張するなど

1.2.3. 相手を動かす・動いてもらう

依頼・誘い・許可・助言・命令・注意をひくなど

2. 言語活動において

言語活動を行うには、適切な言語材料が必要。ただし、問題演習のみにならないよう、活動を通して言語を習得できるように努める。

2.1. 語・連語・慣用表現

2.1.1. 語

英語Ⅰで400、Ⅱで700、Ⅲで700、その他必要に応じて、レベルに合ったものを加える。

2.1.2. 連語・慣用句

運用度の高い物を教える。

(以下、中学校学習指導要領に加えて)

2.2. 文構造

SVCV:一般動詞、C:分詞)

SVOOif節)

SVOOO2that節・what節・if節)

SVOCC:分詞・原形不定詞)

そのた(seemを含む物)

2.3. 文法

「不定詞」「関係代名詞・副詞(制限・非制限)」「助動詞」「代名詞(仮主語)」「時制(現在完了進行形・過去完了形)」「仮定法」「分詞構文」

3. 言語材料の使用に当たって

筆記体など、知っている生徒とそうでない生徒がいることを踏まえて、生徒に負担がかかりすぎないようにする。英語はいわゆる標準の物を用いるが、様々な形・音の英語があることも教える。文法の指導は、コミュニケーションを支えるものという立場で教える。また、実際に活用出来る形での習得をさせる。これらを達成するためには、学校外での英語に触れる時間の確保はもちろんだが、授業中もできるだけ英語に触れさせるために、教師は指導を英語で行う。

~第四章 各科目に渡る指導計画の作成と内容~

1. 作成にあたって

法律に準拠することはもちろんとして、各学校の状況に合わせて作成していく。特に配慮する点は、各教科・科目との関連付けをすることで、発展的かつ系統的な指導をする。コミュニケーション英語の順番を入れ替えず、「基礎・Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ」とすること。

2. 内容の取り扱いに当たって

コミュニケーション能力を育成することはもちろんだが、それが「多様な物の見方・考え方の理解の促進」「自他国の言語・文化に関心をもち、尊重していく態度の育成」「世界における日本という位置から国際協力の精神を養う」「人間・社会・自然について考える態度の育成」に役立つことが必要である。こうした活動は、ペアワークなどを取り入れ、「コミュニケーション能力の育成」につなげる。そのさい、「歯止め教育を取り払う」という観点から、「発音記号・筆記体」の導入が可能。また、生涯にわたっての学習に役立てるため「辞書指導」の導入なども大切。

3. 総則関連事項

3.1. 道徳教育との関連

道徳教育は、各教科においてなされなければいけない。外国語科も例外ではなく、「言語文化への関心・コミュニケーション能力の育成」という目標に沿って道徳教育を進めていく必要がある。

3.2. 学校の特色

学校の特色に合わせて、「科目の設定」や、国語・数学Ⅰ・英語Ⅰなど、「目標達成に支障がない程度において」必修単位を減らすことができる。

3.3. 義務教育の内容の定着

学校の状況に合わせて、中学校までの内容を繰り返すなどして定着させることが大切。

3.4. 言語活動の充実

各科目において、思考判断表現力の育成という観点から言語活動を取り入れる必要がある。

英語編

~第1章 総説 英語科の高校において~

1. 改訂の要点

1.1. 目標

「言語文化に対する理解・コミュニケーションへの態度・情報や考えなどの理解や伝達」を目標とする。

1.2. 改訂の内容

科目に関しては、「生活英語」「LL演習」の廃止、「総合英語」を「コミュニケーション英語」の内容にする、などの改訂があった。また文法も言語活動と関連付けたものとして取り扱うことにし、ALL ENGLISHを基本とする方針にしている。言語活動においては、場面と言語の機能についての指導を充実させることが大切であるとした。

1.3. 科目の要点

1.3.1. 総合英語

コミュニケーション英語とほとんど同じ

1.3.2. 英語理解

読解活動中心の学習を希望する生徒に履修させる科目。要約や、読んだものに関する自分の考えを深める活動を充実させる。

1.3.3. 英語表現

話したり書いたりすること中心の学習を希望する生徒に履修させる科目。コミュニケーションへの態度の一層の育成と、様々な表現方法の習得を目標とする。

1.3.4. 異文化理解

全員必修。異文化コミュニケーションへの態度の育成を図る。

1.3.5. 時事英語

時事的な話題に関して、メディアを通して触れていく活動を中心とした学習を希望する生徒に履修させる。ネット上の英語・新聞上の英語などを理解させ、必要な情報を取り出す訓練をさせる。

1.3.6. そのた

学校の特色を生かした科目。

2. 英語科の目標

外国語科英語と同じ。

3. 科目編成

先に挙げた「1.3. 科目の要点」にある5つの科目を、学校側が単位数などを決めて実施。

~第二章 英語科の各科目~

1. 総合英語

コミュニケーション基礎・Ⅰ・Ⅱ・Ⅲを合わせたようなもの。「発音」「聴解」「対話」「スピーチ」といった音声面に関しては、英語の音の特徴や区切り、音変化に注意し、相手に分かりやすいように話すことが求められる。「読解」「作文」「課題研究」では、文字の指導から文法の指導、分かりやすい文章に関する指導などを充実させ、「自分の意見を分かりやすく表現する・調べた内容等に関する分かりやすいまとめを書く」といった目標を達成させる。

2. 英語理解

情報を的確にまとめ、自分の考えを深める能力の育成が目標。総合英語の内容を発展させ、音声面では「流暢な話を聞き取り理解する能力・的確かつ必要な情報を聞き取る能力」、読む方では「精読・速読・多読」を取り入れ、情報収集や「鑑賞」に力をいれる。多読は、精読・速読の精度・速度を上げるために必要であるという点を考慮して指導する。

3. 英語表現

情報を多面的に分析し、論理の展開や表現方法などを工夫しながら伝える能力の育成が目的。これも総合英語の発展形であり、音声面に関しては「自然なリズム・イントネーション」や、「自然な、スムーズな会話をすすめる能力」、スピーチ・プレゼン・ディベート・ディスカッションにおける、「その場その場にあった表現方法で相手に効果的に伝える能力」が求められる。各法では、手紙・日記などにおける「フォーマリティー」や、作文・小論文などにおける「文章の構成」に力を入れる。

4. 異文化理解

英語を通した異文化理解・異文化コミュニケーションの能力や態度の育成が目標。「日常生活」「社会生活」「習慣」「地理・歴史・文化」「科学技術」など、様々な場面を想定してあらゆる面から異文化について知り、受け入れてさせていく。これらの場面は、生徒の実態や交流の実際に応じて適宜選択していく。また、必要があれば自国の文化との比較も取り入れる。

5. 時事英語

様々な情報媒体における英語を理解し、情報を選択的に入手する能力の基礎を育成することが目標。「新聞(ネット新聞)・雑誌から情報を読み取る」「テレビや映画を理解する」「ネットにおける情報を理解する」「じじもんだいについて 発表・討論する」といった活動が主。新聞・テレビ・チャットなど、ニュースに触れるのにも様々な媒体を介する可能性がある。これらに適応すべく、5W1Hなどによる要点の読み取り方の指導をする。そうして読み取ったことなどをもとに、発表や討論に発展させる。4技能をバランスよく取り入れるのには適しているが、あまり大きな負担にならないように、生徒の実態に合わせて「生徒の興味のある内容」を扱うなどの工夫が必要。また、他教科との関連も測りやすいので適宜取り入れる。

~第三章 各科目に渡る指導計画と作成と内容の取り扱い~

1. 指導計画作成上の注意

各教科・科目が相互に関連し合うように作成する。学校の特色等によっては、「それを生かした効果的な指導法の工夫」が必要であるものや「学校設定科目の追加・その他原則を一部無視すること」が可能なものもある。例えば原則として、「総合英語」「異文化理解」は全生徒に履修させることが必要であるが、それ相応の理由があれば例外を認めることもある。

2. 取り扱いに当たっての配慮事項

普通校の「コミュニケーション英語・英語表現」を参考にしていくことが大切。それを踏まえ、生徒の状況に合った水準の教育を提供すること。その際、知識の定着だけにとどまらず、実際に使えるようにすること、またそのため、活動を通して定着させることが大切。こうした言語活動には、必要最低限の言語知識が必要である。したがって中学校の内容や既習事項を繰り返し指導し、しっかりとした定着を図ることが大切。

 生徒の状況に合わせた複数人活動(ペア・グループワーク)による活動言語活動をより効果的にするため、原則として授業は英語で行う。また教材は、言語場面や言語機能に合った物を選ぶこと。内容は、日常生活や伝統文化、自然科学にいたるまで様々なものを用いて、「海外の人間・社会・自然などに関して多面的な理解と広い視野をもち、世界における日本人として世界に貢献できる人材」の育成を目指す。加えて生きた教材としてALTなどのネイティブスピーカーを起用することも大切である。

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