私立学校の「定義・設置・所轄」に関しては、前掲の教育基本法などに書かれているため、ここでは省略する。
1. 目的
私立学校の自主性を重んじ、公共性を高めることで、その健全な発達を図る。
2. 教育行政
2.1. 私立学校審議会
学校教育法は適応せず、その代わりに都道府県に私立学校審議会を置く。様々なことは、都道府県知事の承認を経た上で、この私立学校審議会が定める。
2.2. 委員
審議会の委員・会長の任命・解任は、知事が行う。委員には、大きく以下のことが決められている。
・委員会において、その身内に関する事件に口出しできない。
・職務遂行において必要な費用の弁償を受けることが出来る。(都道府県の負担)
3. 学校法人
3.1. 通則
法人は、学校運営に必要な資金・財産を所有しなければならない。また、教育に支障がない限り、審議会に公告した上で、学校のための収益を目的とした事業を行うことが出来る。
3.2. 設立
設立において、以下のことを定め、所轄庁の認可を申請しなければならない。
3.2.1. 教育活動
・目的
・設置する課程を含めた名称
3.2.2. 事務・管理
・事務所の所在地
・評議会や、理事会、役員に関する規定
・解散に関する規定
3.2.3. 運営
・資産や会計
・事業を行う場合の規定
・寄附行為の変更に関する規定
・公告の方法
3.3. 管理
3.3.1. 理事
上に規定される理事会・理事長を定める。理事長は、校長や、評議員から選任されたものが務める。また、理事を複数設定したり、場合によっては代理を設定したりすることも可能である。
3.3.2. 監事
理事は監事を置き、業務・会計・財産等の監査をさせる。監事は、他の役職との兼職はできない。
3.3.3. 教員と役員
教員の欠格事由は、学校教育法を適応する。
3.3.4. 評議員会
理事会の二倍以上の定員で組織する。評議員は、各学校の職員・学校の卒業者などから選任する。評議員会は、理事長が招集する。評議員会は、その総数の三分の一以上の定員による請求によって、理事長に強制的に招集させることが出来る。ただし、総数の過半数の出席がなければ、議事を開いたり、議決したりできない。理事は、以下の項目に関して決定する際には、評議員会の意見を聞かなければならない。
・予算
・事業の計画とその重要事項
・寄附行為
・合併
・解散
3.4. 解散と合併
しかる事由をもって解散することがある。この時、現務の結了や債権・残余財産などを処理する「清算人」を設定し、解散の手続きをする。
3.4.1. 解散事由
解散事由には以下のものがある。
・理事会や評議員会の議決
・目的を成功させることが不可能な場合
・合併
・破産
・条例違反による解散命令
3.4.2. 残余財産の帰属
帰属すべきところに帰属。それ以外は国庫に帰属。国庫に帰属する場合、国はそれを譲与、または無償で貸し付けるものとする。この時、その財産と等価の金額を補助金として出すことも可能である。
3.4.3. 合併
合併には、理事の三分の二以上の賛成、評議員会等で定められた規定をクリア、更には所轄庁からの認可を受ける必要がある。合併によって設立した学校は、合併前の二つの学校の法人の権利・義務を承継する。
3.5. 助成
国・地方公共団体は、教育の振興上必要があれば、私立学校教育に関して必要な助成をすることが出来る。
3.6. 所轄庁の監督
3.6.1. 事業停止命令
学校法人の事業が以下の項目に該当する場合、所轄庁は、私立学校審議会などの意見を聞いた上で、その事業の停止命令が出来る。
・定められた事業以外の事業を行う場合
・学校の経営以外の目的である場合
・教育に支障がある場合
ただしこの場合私立学校側は、審議会などを通して弁明の機会を得ることが出来る。
3.6.2. 解散命令
学校側が何らかの法令・規律違反をし、その処分に対しても違反した場合、解散命令を出すことが可能。ただし、それ以外に監督責任を果たせない場合であり、審議会の意見も聞いた上での決定でなければならない。この時、以下の二点に留意する
・私立学校は、審議会を通して弁明する機会を得る。この時、証拠の提示をしなければならない。
・所轄庁は、私立学校に対して解散命令の根拠を提示しなければならない。
4. 罰則
以上のいずれかに違反した場合、二十万円以下の過料に処す。
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