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広島大学教育学部卒業。 読書・昼寝・ゲーム・カードゲームなどを趣味とする。 RIP SLYMEが好き。宮部みゆき・東野圭吾・星新一・夏目漱石・小川洋子が好き。 最近数学・宇宙論・翻訳などに興味がある。 アニメ・声優オタ

2014年5月25日日曜日

広島弁の「~しよる」と英語の"~ing"の類似から文法の授業を考える

英語の文法で理解しづらいものの特徴として、 「日本語ではそう言わない」 というのがあげられると思います。つまり、 「日本語(君たちが使っている言語)でもそうでしょ?」 という説明が、文法を理解する上で大切であるということです。ならば、 「広島弁(君たちが使っている言語)でもそうじゃろ?」 と説明できれば生徒は理解してくれるのではないでしょうか。
そこで今回は、生徒が理解に苦しむ(と私が思っている)文法項目である 「進行形」 に関して、広島弁を通した教授法があるのではないかと思って、備忘録としてこの記事を書きます。

今回注目したいのは、英語の進行形です。 生徒が理解に苦しむ点として、「知っている」 や 「あいしている」 という表現が進行形にならないことが挙げられます。しかも、 「状態動詞は進行形をとらない」 というような説明で生徒を追い打ちしていきます。

このややこしい「状態動詞」と「動作動詞」への対抗策として今回用いるのが、広島弁の進行形の表現である 「~しよる」 です。
東京の方言では、状態動詞にも動作動詞にも 「~している」 を用います。例えば 「知っている」や 「あいしている」 などです。 しかし大変興味深いことに、広島弁では状態動詞にたいして 「~しよる」 を使わず、代わりに 「~しとる」 を用います。それぞれの例をいくつか以下に提示します。

●動作動詞
読みよる 食べよる 勉強しよる テニスしよる 飲みよる 文字を打ちよる 

●状態動詞
知っとる 愛しとる 生きとる 死んどる 所属しとる

2つ目の 「~しとる」 で挙げたものは全て、英語では基本的に ing の形をとらないものです。さらに興味深いことに、 「状態動詞」 を 「~しよる」 で表すと、

知りよる(今まさに知っている途中である)
愛しよる(今まさに 「愛」 という行為を実行中である/「愛」 という状態に近づきつつある)
生きよる(今まさに 「生きる」 という行為を実行中である)←哲学的
死による(今まさに 「死」 という状態に近づきつつある)
所属しよる(今まさにエントリーシートに記載中である)

という意味になります。これらは全て、英語の "I'm knowing / I'm loving / .... I'm belonging" 
の意味に近いのではないでしょうか。(とは言われても、ネイティブヒロシマンでなければこのニュアンスを捉えることは難しいかもしれませんが。)

このことから、

「広島弁で ~しよる という表現なら英語では -ing を使い、 ~しとる という表現なら、英語では 現在形 を使う」

という結論が導き出せます。たとえば、

I was reading a book when you called me.
I knew it when you called me.

にはそれぞれ、

電話して来た時は本を読みよった。
(電話して来た時ぁ本を読みょーた)

電話して来た時には(はぁ)知っとった。 ※はぁ…もう・すでに
(電話して来た時にやー(はー)知っちょった。)

という訳を当てることが出来ます。またさらに、

I had ( already ) read the book when you called me.

に対して、

電話して来た時にゃー(はー)その本は読んぢょった。

という訳を当てることも出来ます。東京の方言では、 「読み終えていた」 というふうに、 「終える」 という表現を追加しなくてはなりません。つまり広島弁は 「進行形」 だけでなく、 「完了形」 という難敵すらも打ち倒す能力を秘めているのです。

これらのことを総合して私は、広島弁を用いた授業の可能性を感じました。また、これを別の方言にまで拡大していくこともできるのではないかと考えています。

ところで、今回このことを思いついたのはある鹿児島の友人との会話がきっかけでした。その友人がある時、 「~を知りよる」 という表現を使ったのです。よく話を聞けば、動詞に 「~しよる」 とつけるのが広島弁だという over - generalization による間違いであったことが判明したのですが、そこから 「~しとる」 と 「~しよる」 の違いについて考えさせられました(もちろん私一人のちっぽけな頭で思いついたことではありません。その場に居合わせた別の友人の助けがとても大きいものでした)。 私は改めて 「身近なところに思いがけない教材が転がっている」 ということを実感しました。

英語も日本語の方言も同じ 「言語」 であるからには何らかの共通性があってもおかしいことではありません。広島弁以外にも使える方言があるはずです。他にも英語と共通点がある方言をご存知の方は、ぜひそれを共有していただきたいと考えています。

2011年8月27日土曜日

私立学校法 まとめ


私立学校の「定義・設置・所轄」に関しては、前掲の教育基本法などに書かれているため、ここでは省略する。

1. 目的

私立学校の自主性を重んじ、公共性を高めることで、その健全な発達を図る。

2. 教育行政

2.1. 私立学校審議会

学校教育法は適応せず、その代わりに都道府県に私立学校審議会を置く。様々なことは、都道府県知事の承認を経た上で、この私立学校審議会が定める。

2.2. 委員

審議会の委員・会長の任命・解任は、知事が行う。委員には、大きく以下のことが決められている。

・委員会において、その身内に関する事件に口出しできない

・職務遂行において必要な費用の弁償を受けることが出来る。(都道府県の負担)

3. 学校法人

3.1. 通則

法人は、学校運営に必要な資金・財産を所有しなければならない。また、教育に支障がない限り、審議会に公告した上で、学校のための収益を目的とした事業を行うことが出来る

3.2. 設立

設立において、以下のことを定め、所轄庁の認可を申請しなければならない。

3.2.1. 教育活動

目的

設置する課程を含めた名称

3.2.2. 事務・管理

事務所の所在地

評議会や、理事会、役員に関する規定

解散に関する規定

3.2.3. 運営

資産や会計

事業を行う場合の規定

寄附行為の変更に関する規定

公告の方法

3.3. 管理

3.3.1. 理事

上に規定される理事会・理事長を定める。理事長は、校長や、評議員から選任されたものが務める。また、理事を複数設定したり、場合によっては代理を設定したりすることも可能である。

3.3.2. 監事

理事は監事を置き、業務・会計・財産等の監査をさせる。監事は、他の役職との兼職はできない

3.3.3.  教員と役員

教員の欠格事由は、学校教育法を適応する

3.3.4. 評議員会

理事会の二倍以上の定員で組織する。評議員は、各学校の職員・学校の卒業者などから選任する。評議員会は、理事長が招集する。評議員会は、その総数の三分の一以上の定員による請求によって、理事長に強制的に招集させることが出来る。ただし、総数の過半数の出席がなければ、議事を開いたり、議決したりできない。理事は、以下の項目に関して決定する際には、評議員会の意見を聞かなければならない。

予算

事業の計画とその重要事項

・寄附行為

合併

解散

3.4. 解散と合併

しかる事由をもって解散することがある。この時、現務の結了や債権・残余財産などを処理する「清算人」を設定し、解散の手続きをする。

3.4.1. 解散事由

解散事由には以下のものがある。

理事会や評議員会の議決

目的を成功させることが不可能な場合

合併

破産

条例違反による解散命令

3.4.2. 残余財産の帰属

帰属すべきところに帰属。それ以外は国庫に帰属。国庫に帰属する場合、国はそれを譲与、または無償で貸し付けるものとする。この時、その財産と等価の金額を補助金として出すことも可能である。

3.4.3. 合併

合併には、理事の三分の二以上の賛成評議員会等で定められた規定をクリア更には所轄庁からの認可を受ける必要がある。合併によって設立した学校は、合併前の二つの学校の法人の権利・義務を承継する。

3.5. 助成

国・地方公共団体は、教育の振興上必要があれば、私立学校教育に関して必要な助成をすることが出来る。

3.6. 所轄庁の監督

3.6.1. 事業停止命令

学校法人の事業が以下の項目に該当する場合、所轄庁は、私立学校審議会などの意見を聞いた上で、その事業の停止命令が出来る。

定められた事業以外の事業を行う場合

学校の経営以外の目的である場合

教育に支障がある場合

ただしこの場合私立学校側は、審議会などを通して弁明の機会を得ることが出来る。

3.6.2. 解散命令

学校側が何らかの法令・規律違反をし、その処分に対しても違反した場合、解散命令を出すことが可能。ただし、それ以外に監督責任を果たせない場合であり、審議会の意見も聞いた上での決定でなければならない。この時、以下の二点に留意する

・私立学校は、審議会を通して弁明する機会を得る。この時、証拠の提示をしなければならない。

・所轄庁は、私立学校に対して解散命令の根拠を提示しなければならない。

4. 罰則

以上のいずれかに違反した場合、二十万円以下の過料に処す。

2011年8月26日金曜日

トラップカード発動!!!私立学校法の罠!

私立学校「・・・そして、魔法カード【私立学校における法外な授業】を発動!!」

学校教育法「させん!!トラップカード【学校教育法第14条】を発動する!!このカードは、<私立学校が、何らかの項目において、都道府県知事の定める規定に著しく違反している時>に発動可能!!そしてこの効果で<その内容の変更を命じる>ことが出来る!!!」

私立学校「ふふふ・・・。トラップカードッッッ!!!!【私立学校法第5条】発動!!!」

学校教育法「なにっ!!??」

私立学校「このカードの効果で、【学校教育法第14条】の効果を無効にすることができる!!!」

遊戯王の世界では、「後に発動されたカード」から処理していきます。具体的な遊戯王の例を出すと(え)、

プレイヤーA:【モンスターを召喚】

プレイヤーB:【トラップカード「落とし穴」発動】(相手が召喚したモンスターを破壊できる)

プレイヤーA:【トラップカード「盗賊の七つ道具」発動】(相手のトラップカードを無効にする)


のばあい、【盗賊の七つ道具】から処理していきます。つまり、【落とし穴】の効果は無効となり、Aは無事、モンスターを召喚することができます。


しかし、法律の場ではどうなるのでしょうか。


かたや「私立が違法したら指摘出来る」といい、
かたや「それは私立には適応しない」という(ただし、他に指摘する方法を提示)。

だったらふつう、

①最初の方、もしくは後の方を削除
②最初の方を変更して後のほうを削除 (vice versa)

のどれかをするんじゃないでしょうかね。


それとも、僕がとうとう日本語を読めなくなってしまったのでしょうか。

もしかすると、そもそもあれは日本語では無いのでしょうか。

いやそれとも、法律なんてこんなもんなんでしょうか。


遊戯王やってるんならともかく、法律の場でこういうことはやめて欲しいと思いました。


それにしても、今日も平和です。