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広島大学教育学部卒業。 読書・昼寝・ゲーム・カードゲームなどを趣味とする。 RIP SLYMEが好き。宮部みゆき・東野圭吾・星新一・夏目漱石・小川洋子が好き。 最近数学・宇宙論・翻訳などに興味がある。 アニメ・声優オタ

2011年7月4日月曜日

H23 広島県教育資料 6/7(第五章) 3/3

~福祉教育~

人間尊重を基盤とした、ともに生きる大切さを理解し、人間らしく生きる社会形成能力・態度(福祉マインド)の育成を図る教育。

1. 発達段階に応じた福祉教育(福祉マインドの育成)の展開

幼児期・青年期・成人期という発達に合わせ、命を大切にする「心」・ともに生きるという事への「理解」・ともに生きることができる社会の実現を目指す「態度」の三段階の発展。

2. 福祉教育を通じて育てたい資質・能力

以上の三点に加え、社会における連帯意識や、主体的に生きようとする自立心を養う。

3. 福祉教育の指導のポイント

3.1. 体験学習の重視

指導要領に則り、生徒が主体的に取り組める、体験的・問題解決的学習を取り入れる。また、「自然・文化とのふれあい」、「様々な人との出会い」の中に価値が見いだせるよう、「共生・共存・地域社会・感性」というキーワードを視点に置くといった工夫が必要。こうした体験の機会は、地域社会との連携の中に生まれる。

3.2. 実践的な態度や能力の育成を図る

授業やイベント時だけでなく、日常的・継続的に教育していくことが大切であり、学校外でも自主的に実践できるような地域社会におけるボランティア活動の充実などが求められる。また、国際援助活動に触れるなどの視野を広げる活動とのバランスも必要である。

4. 指導上の留意点

4.1. 福祉教育の位置づけの明確化と善行での取り組みの体制づくり

学校の教育目標と関連付け、全教科で実施することが大切。その際、効果的かつ円滑な指導を実現するためには、全教員内で共通理解もつよう体制を整えることが大切である。

4.2. 地域との協力・連携の体制づくり

学校の活動は、地域での福祉活動と連携をとる事でより効果的になる。そこで、地域の実態やそこで行われる取り組みを把握することが必要になってくる。学校側は、計画の段階からこうした連携を見据え、関係機関・関係者との連携していくことが大切である。

~平和教育~

学習指導に則って実施する。生徒の発達段階に応じて、自他を尊重する態度、自国・他国を尊重する態度を養い、恒久平和を願う人材の育成を目的としている。

【教育基本法 前文まとめ】

我々が築いてきた民主的で文化的な国家をさらに発展させ、同時に世界の平和と福祉に貢献することを願う。そのため、個々を重んじ、真理と正義を希求し、公共の精神を尊び、豊かな人間性と創造性を持つ人材の育成を目的とし、温故知新の精神で教育を推進する。

1. 平和教育の指導のポイント

○全教科を通した、多面的な指導が求められる。

○広島県人として、最初の被爆地であること、平和発信の拠点であることを期待されていることを踏まえた指導をする。

○社会・宗教・政治などの運動と区別し、中立的な視点からの指導をする。

2. 指導上の留意点

○校長を中心に、指導法などの研修を行い、全教員の共通理解の下で実施する。

○生徒が多面的に考えることができるよう、客観的で公正な視点を重視する。

○平和を希求する活動の実例から、平和の大切さを学んだり考えたりできるような工夫。

3. 平和教育の取り組み例

3.1. 戦争や被爆の実相に触れる

平和記念資料館や、被爆の実相を扱った文学作品などを通して、戦争の悲惨さ、命の大切さ、人間のあり方、平和の大切さを学ぶ。終戦日を登校日とし、地域の人とのふれあいの中で学ぶという取り組みも実施されている。

3.2. 地域や各学校の実情に応じた取り組み

地域にある資料館や、地域の人々から学ぶことで、より実感的な学習が期待できる。また、慰霊祭などに参加し、命を落とした人々や残された人々の存在を忘れずにいることで、平和な社会を築いていこうとする意欲や態度を育てる。平和記念式典に参加し、折り鶴を捧げたり平和への誓を述べたりするという取り組みも行われている。

3.3. 国際理解・国際貢献などの視点に立った取り組み

JICAなどの国際協力機構と連携したり、他国からの研修生や講師などを迎えたりすることで、他国の現状などについて学び、世界平和を確立する熱意を育てる。特に、地球環境・資源といった問題には、国際理解・協力が鍵である。青年海外協力隊の実際の取組みの紹介や、国際協力の歴史を教えることで、その大切さと意義を考えさせる、という取り組みも行われている。

~へき地教育~

へき地教育振興法などにより定められる。小規模で豊かな自然に恵まれているという点を活かした教育が望まれる。

1. 教科指導の留意点

1.1. 各教科の特質や狙いを踏まえ、指導内容の重点化を図る

少人数であることを活かし、教育内容の重点化を図る。これにより、一貫した教育内容の保持や、ゆとりをもった教育の実施が可能になる。

1.2. 生徒の思考・認識の過程を意識した指導

人数が少ないため、個々の学習の実態の把握が可能である。そのため、個々に必要な補充・発展的指導の充実や、教室全体の学び合いの推進が期待される。また、このような活動を通して、学習におけるリーダーなどの育成も視野に入れておく必要がある。

1.3. 個々の評価

より個々に特化した評価が可能であるため、授業改善に大いに役立てるべきである。

1.4. 指導形態の工夫

生徒一人ひとりの興味・関心を重視した、「コース選択制」などを取り入れることも可能。

1.5. 地域に密着した体験活動

へき地特有の地域との濃い繋がり・豊かな自然などを十分に活用した体験活動の工夫。

【実践例】

○小規模の特色を生かした授業改善の視点

考える活動・表現する活動といった、個人差が生じやすい活動も、小規模校であれば十分に個々への対応が出来る。また、生徒同士のより強い人間関係を形成するため、意見交換・意思疎通の機会を多く取り入れるようにしている。

○口和中「授業モデル」の推進

a) 深く考える

授業の最初は、家庭学習の内容を確認するテスト・意見を出し合い、反論を検討させる活動など、グループ学習を通してお互いに切磋琢磨していける場面を取り入れる。さらに深く考えさせるため、グループをさらに23人に分けて話させる。

b) 発表を通した個々と集団の結びつけ

丁寧なノート指導等を通して一人ひとりの学習をサポートし、学習意欲の向上を図る。そうした個人の学力の定着を図る上で、意見の発表・討論などの「相手を意識した活動」を取り入れることで、お互い切磋琢磨していける集団にする。

~持続可能な開発のための教育(ESD)~

社会の発展をより多面的に捉え、その発展によるマイナス面を認識し、改善していく力を養成する教育。発展におけるマイナス面を減らす・なくすことを通して、将来にわたって発展してしける社会を作り出すことを目的とする。そのためには、私たち一人ひとりが世界・将来・人々との関係の中で生きている事を実感し、行動を改めて行くことが大切。

1. ESDの目標

すべての人が高い水準の教育を受け、環境・経済・社会における持続可能な将来を実現させることのできる知識・態度を養い、自らの行動を改めること。

【実践例】

○小学校

生活科における自然とのふれあいを通して自然の素晴らしさを知り、外国語活動における異文化交流を通して様々な考え方に触れる。

○中学校

社会科において、ESDの実現における課題とその解決法を議論する。理科において科学的根拠・考察から、持続可能なシステムを考察する。

○高校

世界史では、歴史的背景から現代における課題の議論、家庭基礎ではライフスタイルの工夫など、主体的に課題を解決しようとする態度を育成。

2. ESDを通して児童生徒に身につけさせたい力

2.1. 多面的・総合的考察を通して、発展と保全の両立などを探求する力

自然保護と経済発展など、一見相反する事象に関する課題に「突破口」を見つける力

2.2. 立場の違いを理解して相手を尊重し、協同的に課題を解決する力

都市と地方・先進国と発展途上国などの立場や考え方の違いを理解し、みんなが納得出来るような解決策を考案する力

2.3. 誰が取り組んでも持続するようなシステムの考案・考察

様々な価値観が混在していても、集団として機能するようなシステムの考案など。

2.4. 大竹市立栗谷中学校における取り組み事例

「ふるさとを愛し、グローバルに考え・行動できる子どもの育成」を目標に、以上三つの領域の学習を実施している。総合的な学習の時間を活用し、「地域の良さと課題」についての考察を通した主体的な学習を狙いとしている。具体的には、「自然が多い」という生徒が主張する利点と、生徒の関心が薄い「過疎・高齢化・森林の喪失」という問題を扱っている。生徒は、過疎化などの問題の現状やその改善策について調べる事を通して、「その課題に対するこれからの自分たちの姿勢」について考えることができた。

2011年7月2日土曜日

H23 広島県教育資料 6/7(第五章) 2/3

~人権教育~

生徒の、人権を尊重する精神を養う目的。中立的な立場から、指導要領に基づいて、人権尊重への正しい理解を促進する。

1. 人権教育の推進に係る法令等

1.1. 人権教育及び人権啓発の促進に関する法律H12

国・地方公共団体・国民の責任を明確化

1.2. 「人権教育・啓発に関する基本計画」「広島県人権教育・啓発指針」H14

両者とも「1.1.」の法律に基づき、前者は「国」が、後者は「県」が、人権教育を効果的に促進するために策定された物

1.3. 広島人権教育促進プラン H14

先に挙げた「1.2.」の後者の指針に基づき、県教委が人権教育を推進するよう策定。

2. 広島県人権教育促進プランにおける推進方策のポイント

教育の中立性を確保した上で、以下の二点に重視する

2.1. 人権尊重の理解と体得

自他の人権を尊重し、共存していく精神の育成

2.2. 普遍的視点からの取り組みの重視

生命・他人との共感・自己への肯定的態度・他人の意見を尊重し、傾聴する態度といった、一般的に大切な物の視点からの取り組み

3. 学校教育における人権教育推進上のポイント

3.1. 学校の教育活動全体を通じた実践

発達段階・指導要領を考慮し、各教科の学習内容の指導による人権教育

3.2. 育むべき三つの要素

人権尊重の理念への「知識・感性・人権感覚」

3.3. 指導上の留意点

自他の自由や権利を大切にすることや、人権行使に伴う責任を理解させる

4. 人権教育の指導方法のあり方について「第三次まとめ」」におけるポイント

人権教育で育てたい能力・資質は、次の三点にまとめられるとしました。

4.1. 知識的側面

人権の理念・歴史等の理解

4.2. 価値的・態度的側面

自己や他人を尊重する態度。道徳教育との関連が強い。

4.3. 技能的側面

他人の気持ちに共感・理解を示す、また、自分の気持ちを伝えるといった技能

5. 指導に当たってのポイント

5.1. 各教育活動における目標や狙いとの関連付け

各教科と関連付けることでの相乗効果を狙う。

5.2. 学習意欲を高める指導法の研究開発

人権感覚は、主体的・協力的な学習・活動を通して育つ。そのための工夫が必要。

5.3. 人権が尊重される学校・学級づくり

教員自身に人権感覚が身についていなければいけない。また、生徒自身が自らの大切さを認められていると実感できる環境を作っていくことが重要である

~国際理解教育~

国際化の中、異文化への理解・協力態度の区政は重要。各教科や行事を通してなど、様々な形で行われるべき。

1. 国際理解教育の狙い

教育基本法の改正で、「自国・他国を愛し尊重する態度」の育成が求められている。それの実現には、自国・他国の文化や伝統について知り、理解していくことが必要である。その時留意する点は、以下の三つある。○広い視野を持つ○日本人・個人として自己の確率を図る○相手を尊重しつつ、自分の意見を言える要になること

2. 国際理解教育推進の視点

国際社会において、主体的に行動できる能力・資質の育成を目指し、以下の点に留意。

【留意点】

多様な文化があるなか、どれが正しいなどということではなく、違いを違いとして受け入れる態度が必要である。そのため、ヨーロッパ諸国のみならず、アジア・オセアニア諸国にも目を向けるような教育や、子ども一人ひとりが自己を確立することを目指さねばならない。こうした教育は、各教科の中ではもちろんだが、ボランティアや交流などの活動を通して学ぶことも大切である。

3. 国際理解教育の推進の方向性

3.1. 交流活動の推進

外国への修学旅行・交換留学・姉妹校などの取り組みを一層推進していく

3.2. 教員の資質の向上

まず教員に国際理解の精神が求められる。研修等を通して、教員自身一層の理解を深める。

3.3. 外国語教育の充実

国際競争についていくためにも、外国語教育が求められる。特に、コミュニケーション能力という面における外国語教育の役割は大きい。H20改訂の指導要領で、小学校56年における英語教育が定められたが、これはコミュニケーション能力の育成が目的である。そのため、音声中心・活動中心の内容で、英語になれることを最終目標としている。

3.4. 帰国・外国人児童生徒と共に進める教育の充実

国際化に伴い、学校では帰国・外国人生徒の受け入れも多くなっていくであろう。こうしたとき、その一人ひとりの実態を把握し、それぞれが学校生活において自己実現できるように配慮することが重要である。こうした帰国・外国人生徒を活かすことで、他の生徒にとっての異文化交流の機会・国際理解への機会となり得る。

~環境教育~

人間と環境のかかわりについて理解し、環境の保全に取り組む態度の育成が目的

1. 環境教育の基本的な考え方

あらゆる機械を通して、環境や環境保全への理解・関心を深めるよう指導する。また、環境を大切にすることから、生命や自然の大切さ・尊さを学ぶことも大切である。さらには、エネルギー問題・環境問題・資源問題などへの問題意識を植えつけ、持続可能な社会の構築に貢献する態度の育成も求められる。学校では特に、社会・理科・技術・家庭科など、関連の深い教科を中心とした環境教育に関する内容の充実が図られている。

2. 環境教育の狙い

先述したとおり、持続可能な社会の構築に貢献する人材の育成である。これは環境のみならず、社会・福祉の問題との関係もあるため、多くの分野と結びつけた教育が必要である。

2.1. 環境教育の目指す人間像

環境に関する知識だけではなく、自ら責任をもって環境問題に関われる人間

2.2. 環境教育の内容の基礎的要素として重視する点

人間と環境・環境を取り巻く人間同士のかかわりを学び、環境問題に関して客観的に捉えることで、環境の恵・命の大切さを学ぶ。

2.3. 環境教育を行う際の主な視点

発達段階に応じた内容の工夫・地域家庭との連携により、持続可能な社会の(ry

3. 学校における環境教育

環境保全に望ましい思考判断能力を養うことが目標。次の点に留意して取り組む。

3.1. 学校全体の教育活動を通して

全教科で連携をはかり取り組む。特に総合の時間は活用する。教員間での共通理解の下、指導法や教材についての議論を通して取り組む。地域環境・生徒の実態などを考慮して行う。

3.2. 実践的態度の育成

知識や理解を通して、環境や自然に対する思いやりの心や、環境保全への協力的な態度を養う。そのためには、地域との連携を通して、地域社会での学習の機会を増やす。

3.3. 体験学習

地域の利用可能な関連機関やインターネットを活用し、観察・実験・調査・見学等の取り入れや、学校間での情報交換・情報発信などに取り組む。

~情報教育~

教育の情報化は「情報教育」「教科指導におけるICT活用」「校務の情報化」の三つからなる。また、情報教育では、生徒が主体的に考え・判断し、表現・行動するといった、情報活用能力を育成する教育をいう。

1. 情報教育の狙い

1.1. 情報活用の実践力

課題解決・情報収集などの目的に応じた、情報の適切な活用・処理。また、受け手を想定した発信伝達力の育成(情報リテラシー)。

1.2. 情報の科学的な理解

情報手段・情報の適切な扱い方・自らの情報活用力の評価・改善といった、情報活用の基礎となる力の育成

1.3. 情報社会へ参画する態度

社会における情報の役割・情報モラル(リテラシー)を理解し身につけ、望ましい情報社会の創造に参画しようとする態度の育成。

2. ICT活用と情報教育の関連(ICT活用≠情報教育)

情報社会を生きる上で、情報機器の活用による情報教育が重要である。つまり、情報の活用法を知っていても、機器を使いこなせていなければなんにもならないということである。

3. 情報モラル教育

3.1. 基本的な考え方

3.1.1. 情報モラル

情報社会で適正に活動する態度である。他者を意識した行動・知的財産権の尊重、さらには、情報に隠れている危険を回避する能力などが挙げられる。

3.1.2. 情報モラル教育

情報化の影の部分を教えることを目的としてはいけない。影を理解した上で、より良いネット社会の構築に貢献する人材の育成が目的である。

3.2. 情報モラル指導の領域

日常におけるモラル教育の延長線上と捉える。情報社会の倫理・法の理解と尊守・安全への知識・セキュリティといったものは安全教育の領域であり、公共ネット社会構築などは、心・知恵を磨き、それを土台に良い社会を構築していこうという総合的・発展的な領域である。

4. ICTの活用について

主に二種類ある。教師が効果的な提示に使う場合と、生徒が課題解決の手段として使う場合である。どちらがより効果的であるか考え、「いつ・どこで・何のために・どのように」活用するかを押さえることが大切である。


H23 広島県教育資料 6/7(第五章) 3/3へ続く

H23 広島県教育資料 6/7(第五章) 1/3

~特別支援教育~

生徒が、障害による生活・学習上の困難を克服し、自立・社会参画できるよう支援する。特別支援では、身体の障害や知能障害だけでなく、発達障害への取り組みも進めている。一人ひとりの状況・ニーズに合った支援・指導が必要である。

1. 広島県における特別支援教育の推進

1.1. 広島県特別支援教育ビジョンの策定

このビジョンは、広島における特支の理念・方針・取り組みをまとめたものである。

1.2. 特別支援教育推進基本方針

先述のビジョンにでは、今後の方針を次のように示している。

1.2.1. 支援体制の整備

「それぞれの学校の体制の整備」・「校種間の円滑な接続による一貫した指導の実現」・「特別支援教育の広報活動」を実施。

1.2.2. 教員の専門性の向上

教員向けの講習や研修の充実、さらには、長期の研修派遣の実施などがある。

1.2.3. 特別支援学校における教育の充実

重複障害のある生徒に対して新たに学校を編成するなどの細かな対応といった、一人ひとりのニーズに応じた指導の充実がもとめられる。また、特別支援センターとして、他校の生徒の職業自立にも貢献する取り組みも行われている。高等特別支援学校の設立の検討もなされている。

2. 特別支援教育を行うための体制整備

2.1. 校内委員会の設置

委員会の設置は、生徒の実態把握や支援方針の検討を行うために必要である。また、他の学校への支援もここで検討される。設置は、校長の指揮下で行う。

2.2. 特別支援教育コーディネーターの指名

「委員会や研修などの企画・運営」「学校や諸機関との連絡」「相談窓口」という役割。

2.3. 外部専門家との連携

支援の方法や、より効果的な支援体制の検討への助言をもらう。

2.4. 個別の教育支援計画の活用

個人のニーズに合った支援計画表を作成する際、「諸学校」「医療・保険」「家族」「労働」「福祉」など、様々な機関とのかかわりを見据えることで、効果的な支援が期待できる。

3. 個別の指導計画の作成と活用による指導の充実

3.1. 個別の指導計画の作成と活用の手順

個別指導計画表は、効果的な支援や授業を実現する手助けとなる。この計画表は、個人の実態を的確に把握した上で作成さる必要がある。具体的な作成手順は、面接や行動観察による実態把握→目標の設定→計画の作成→実施→評価…のサイクルである。

3.2. 個別の指導計画に基づいた授業の実施

目標など、個別指導計画に即して設定。評価→改善も忘れてはならない。

4. 特支教育における授業改善

4.1. 授業改善の必要性

個々への支援の中心となるのが授業である。生徒の実態に即した授業改善が必要である。

4.2. APDCAに基づいた授業改善

生徒一人ひとりのニーズに答えるためには、まずPlanの前にAssessmentが必要。

5. 教師の具体的な支援の例

5.1. 子どもを集中させる

座席位置への配慮・机上の整理・説明の簡潔化・聞く態度の養成を心がける

5.2 自分の思い出を話させる

話しやすい雰囲気づくり・話し方の指導をする。その際、メモを見て話すなど、話す内容を忘れないようにする工夫が必要。

5.3. 文字・語句を読ませる

躓きやすい語句に印を付けさせる・定規や切り抜きを使い、行の混同を防ぐ・生徒に合った読み方(音読や黙読)を選択するなど。板書で、重要な点を強調するなどの工夫も必要。

5.4. 文字・文を書かせる

升目が大きい等、書きやすいノートの選択・漢字の覚え方の工夫・文章構成のパターンを身につけさせるなど。

5.5. 計算・測定させる

量感の定着・公式などの覚え方の工夫・図示による文章題の明確化・目盛りが見やすいものなどを使うなど

5.6. 忘れもの対策

メモの活用・置き場所の固定など

5.7. 授業への主体的参加を促す

興味関心がある事項を扱う・これから何をするか明確にするなど

5.8. 安心出来る学校生活

ルールの設定と徹底。

~キャリア教育~

キャリア教育には、学校段階のつながりにおける統計的かつ発展的な取り組みが必要。

1. キャリア教育が求められる背景とその基本的な考え方

1.1. キャリア教育が求められる背景

社会の根幹を支えるのは人材教育である、という視点にたったとき、キャリア教育の必要性は明確になる。特に、これに関する答申では以下のような状況や課題が挙げられている。こうした課題は、社会の変化によってもたらされたといえる一方、こうした課題に気づきながらも適切な策を取らなかった教育機関にも問題があるといえる。

1.1.1. 産業構造や就業構造の変化

産業構造では、第三次産業の増加が、就業構造では、新卒一括採用・非正規雇用が挙げられる。

1.1.2. 職業に関する教育に対する認識

社会全体として、職業教育への関心が浅く、進学もより良い大学への進学までしか見据えていないという現状がある。

1.1.3. 子ども・若者の変化

○発達上の課題

職業人・社会人としての基本的能力の低下や、職業への意識の低下

○高校進学率の上昇に伴う課題

とりあえず進学するという程度の意識しか持たずに進学しているという実態

○中途退学・無業者の増加

上記の理由から、高校・大学の中途退学や、卒業後無業者になる若者が増えている。

○対策

関連機関との連携や、社会への以降に失敗したものに対する学ぶ機会などの提供

1.2. キャリア教育と職業教育

○キャリア教育…社会的・職業的自立を促すもの

○職業教育…ある職業に必要な能力を育てる教育

1.3. キャリア教育の基本的な方向性

子どもに、基礎的・汎用的な能力を身につけさせることを目標とし、発達段階に応じた適切なキャリア教育の充実を図る。具体的には、各活動の体系化・計画化・組織化がある。

2. 指導要領改訂の概要

勤労観・職業観の育成を通して、学習意欲の向上と学習習慣の確立を目指す。

3. キャリア教育を推進するための環境づくり

社会変化や、発達上の課題などを考えると、それぞれの発達段階に応じた地道な指導が必要である。本県における取り組みは、次のような内容である。

3.1. 学校外の教育資源を活用したシステムづくり

キャリアスタートウィーク

3.1.1. 実施内容

職場体験の計画・実施。具体的には、アドバイザーを活用しての5日間以上の職場体験。

3.1.2. 成果

働くことへの認識が芽生えた。学校で習ったことを応用することで、その大切さを認識できた。体験で学んだことを話題とした家族や友人とのコミュニケーションの充実。

3.2. 私のキャリアノート

キャリア教育には、小中高で継続的な指導が必要。その際、キャリアノートを活用し、自分の活動の軌跡を残すことで先のキャリア教育に活かす。

4. キャリア教育の進め方

4.1. キャリア発達課題と各学校段階で育成すべき能力・態度との関連性の理解

各発達段階において、生徒が自己と働くことを結びつけて考えるようにしなければいけない。そのために、各発達段階におけるキャリア教育上の課題を見つけ、その解決に力を入れなければいけない。

4.2. キャリア教育の学習プログラムの枠組みの作成

本県では、それぞれの発達段階おいて身につけるべき能力・態度を示している。これを素に、地域色や学校色が出せるような工夫や、体験活動を円滑にすすめるための体制整備が求められる。そのため、各学校において、目標や内容・方法を明確化する孤男が必要である。

4.3. 幼小中高特支における系統的・発展的な取り組みの工夫

学校段階を超えて一貫したキャリア教育を実施するには、それぞれの学校が他校種において育成すべき「能力・態度」への理解することが大切。各学校段階において重要な点をまとめると、以下のようになる

4.3.1. 小学校低学年→中学年段階

進路の探求・友達と助けあう態度・考えを伝え、共有する態度

4.3.2. 中学年→高学年段階

友達の良いところを褒め合う態度・他人に分り易く伝える能力

4.3.3. 高学年→中学校段階

チームワークの育成・相手の立場から考える視点

4.3.4. 中学校→高校段階

進路の探求と選択・社会的修行準備、自他の理解、積極的な人間関係形成力など

つまり、社会適応能力の教育である。

H23 広島県教育資料 6/7(第五章) 2/3へ続く