1.「昔話法廷」オカモト國ヒコ
NHKの有名なやつです。昔話を取り上げて、「これ、実は犯罪ですよね?」みたいな。さまざまな昔話の登場人物を被告人として、法廷でのやりとりが繰り広げられます。そこには、昔話にはなかった裏事情が勝手に織り込まれていたりして、いわゆるモラルジレンマを引き起こす構成になっています。衝撃的だったのは、浦島太郎が地上に帰ろうとしたのは、乙姫に子どもができたことを知り、親になるのが怖かったからだ、という設定(原作がそうなの?勉強不足です)。このように、細部の設定にこだわることで、一方的な結論に終わらないように仕掛けてあります。有罪か無罪か、もしくは、執行猶予をつけるべきかどうか、死刑にすべきか情状酌量の余地があるのか、など、読みながら気持ちが揺れ動きます。現状4巻見つけたのですが、今後続編が出るのなら迷わず購入したい本です。
2.「3分間サバイバル」粟生こずえ
「ある所でこんな出来事がありました。何がマズかったでしょうか。」みたいな感じで、疫学リテラシーを試してくる短編集。ノロウィルスにアルコールは効果今ひとつであるとか、結核についての知識とか、意外と知られていないことが取り上げられています。いろんなシリーズがあるらしい。サクッと読めるし、朝読書には持ってこい。
3.「マンガでわかる元素118」齋藤勝裕
元素記号を習うのが中2の後半?3年?よく知らないのですが、アルミニウムとかカルシウムとか、H2OとかCO2とか、塩酸とか、特に最近はDr.Stoneとかの影響で硝酸とかアンモニアとかは、中学校1年生であっても触れたことがあるのではないでしょうか。元素の名前や、物質を化学式で表したもの、化学実験でよく使うものなど、身の回りには化学式だらけです(当然)。そんな化学式を作成するための元素に、早い段階から触れてもいいんじゃないでしょうか。
本書の利点は、それぞれの元素についてマンガがあること、欠点は、分かりにくいことです。本来、元素一つで一冊書けてしまうようなものもあるのではないかと推察するのですが、それを118種類を1冊にしているのですから、情報不足もいいところです。その中で、同位体とか原子核とか、質量数とか原子番号の表記のルールとかまで触れているので、ガッツリ勉強したい人にとっては物足りない内容です。入門書というか、朝読書にマンガが読めて知識になる、というお手軽さが良いと思います。
4.「日本人の知らない日本語」蛇蔵・海野凪子
超定番の面白いやつ。留学生に日本語を教えるって、いろんな難しさがあるのだなと。忍者を信じている人や、マンガのセリフを覚えている人、任侠映画のセリフで日本語を勉強した人など、いろんな生徒を相手に奮闘する教師が主人公のマンガです。「すっぱ抜く」ってなに?というか、「すっぱ」ってなに?といったような、今まであまり気にしなかったことだけど、聞かれると確かになぜだろう、と思うようなことってありますよね。というか、今の生徒の日本語力って、任侠映画のセリフとか理解できるんだろうか。うむ、やはり生徒にはぜひともこの本を読んでもらいたい。
5.おわりに
そろそろ何を紹介してきたか忘れそうなので、一覧を作ろう。
学級文庫にしたい本たち その5
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